研究課題/領域番号 |
11213205
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武田 博清 京都大学, 農学研究科, 教授 (60109048)
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研究分担者 |
徳地 直子 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60237071)
東 順一 京都大学, 農学研究科, 教授 (80115782)
山下 多聞 島根大学, 生物資源科学部・附属生物資源教育研究センター, 助手 (30263510)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
2001年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2000年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 分解 / アンモニア態チッ素 / 熱帯林 / 養分蓄積 / 土壌 / 硝酸態 / 微生物 / リグニン / 腐植 / 森林土壌 / 物質循環 / 落葉分解 / 養分物質 / 粗腐食 / 冷温帯林 / 腐植形成 / 菌体蓄積型 / 土壌蓄積型 / 土壌堆積腐植蓄積型 / 炭素 / 窒素比 |
研究概要 |
森林生態系における土壌分解者の生態機能群の働きから、土壌の有機物蓄積の機構を明らかにすることを以下め仮説の検証から進めた。 土壌の分解系は、有機物の蓄積様式により、大きく3つの型に分けられる。1型.熟帯林において一般的な菌体蓄積型(この型では土壌の養分蓄積の能は少なく、養分はおもに植物体と粘土に吸着蓄積されている)、2型.温帯林で鉱物質の土壌蓄積型(炭素/窒素比=12の鉱物質土壌の蓄積)、3型.土壌堆積腐食蓄積型(炭素/窒素比=20の有機物蓄積)に分けられる。これら3つの土壌分解系での有機物蓄積・循環機構についての仮説を、土壌分解系での分解者の生態機能群から検証することを目的として実行された。 1.熱帯季節林の山地林と温帯の冷温帯林の斜面の上部に成立する2型の土壌堆積腐食型の土壌、熱帯降雨林では、窒素の無機化はおもにアンモニア態で生じていることが明らかとなった。一方、斜面の下部に位置する1型の鉱物質土壌堆積型の土壌での、窒素代謝はおもに硝酸態で行われていることが明らかとなった。また、平地の熱帯雨林や季節林ではアンモニア型の養分代謝が主体となっていた。この原因として、熱帯の低地林では、落葉分解の過程において、微生物の活動が高く、有機成分の利用効率が高い結果、リグニン物質の残差が生じないことが明らかとなった。 2.有機物の分解過程を、炭素(エネルギー源)から解析した。有機物の分解過程を、養分物質(窒素、リンなど)とエネルギー源となる炭素の動態を調査した。温帯林の落葉分解実験では、分解過程に伴って、初期の炭素/窒素比に関わらず、炭素/窒素比=20-30に収束する事が現らかとなった。一方、熱帯林では、温帯のような腐食形成の過程が欠落することが明らかとなった。このように、熱帯の低地季節林では、担子菌類を中心とした徴生物の分解活性が高く、「有機物の食い残し現象」を生じているという,研究の仮説を実証するものであった。高い炭素/窒素比の状態において窒素の無機化が生じることが明らかとなった。
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