研究課題/領域番号 |
11215202
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
南 不二雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30200083)
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研究分担者 |
石川 忠彦 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70313327)
黒田 隆 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00272659)
腰原 伸也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10192056)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
41,200千円 (直接経費: 41,200千円)
2001年度: 20,600千円 (直接経費: 20,600千円)
2000年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
1999年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | スピン・クロスオーバー錯体 / 光誘起磁気相転移 / 半磁性半導体 / コヒーレント制御 / スピン・ダイナミックス / 磁気ポーラロン / 吸収スペクトル / 励起子 / スピンクロスオーバー物質群 / フェムト秒光パルス / ファラデー回転 / レーザー分光 / 相転移 / 磁性 / 光誘起 |
研究概要 |
スピン状態を高スピン状態と低スピン状態間の転移を安定かつ可逆に起こさせることができる物質系の磁気相転移を光を用いて起こさせ、そのダイナミックスを調べることを目的として研究を行った。特に、このような物質としてスピン・クロスオーバー錯体と半磁性半導体に着目し、これらの系での光誘起磁気相転移およびその光制御の研究を行った。以下に、得られた成果の概要を示す。 (1)スピン・クロスオーバー錯体における光誘起磁気相転移ダイナミックスの研究 光照射下でのFe^<2+>を含むスピン・クロスオーバー錯体の吸収スペクトルおよび磁化率の変化を測定することにより、この系での光誘起磁気相転移の詳細を調べた。その結果、励起強度に依存した閾値特性があること、転移効率が1以上であること、光照射後しばらくはゆっくりした転移であるが、ある時間が経過すると急激に転移しだすことが判明した。また、顕微鏡による直接観察により、この系の光誘起磁気相転移過程においては空間的に相分離が起きていることも見出した。さらに、この光誘起磁気相転移過程が外部磁場により大きく影響を受けることも判明した。 (2)半磁性半導体における光誘起磁気相転移とその光制御に関する研究 Mn^<2+>を含む半磁性半導体中では、励起子のボーア半径内のMn^<2+>の局在スピンが強磁性的に揃った磁気ポーラロンが生成できる。磁気ポーラロンを複数作り、そのスピンの向きを揃えることにより強磁性転移を起こさせることが出来るかを吸収スペクトル及び磁化率の変化を測定することにより調べた。その結果、光を照射すると、Mnスピン系の有効温度が上昇し、その結果として、磁気ポーラロンの形成エネルギーと励起子ゼーマン分裂幅が、共に減少することが判明した。 一方で、入射光を介して、Mnのスピンフリップが見出されており、この系でも、光の角運動量を用いて磁性スピン制御が可能であることを示している。今後は、低繰り返しのレーザーを用い、格子温度を可能な限り下げた中で実験を進める。
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