研究課題/領域番号 |
11215203
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
栗田 進 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30089833)
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研究分担者 |
岡本 博 東京大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40201991)
末元 徹 東京大学, 物性研究所, 教授 (50134052)
武田 淳 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60202165)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
58,000千円 (直接経費: 58,000千円)
2001年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2000年度: 22,500千円 (直接経費: 22,500千円)
1999年度: 29,900千円 (直接経費: 29,900千円)
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キーワード | 擬一次元物質 / ハロゲン架橋金属錯体 / フェムト秒時間分解分光 / 光誘起相転移 / 自己束縛励起子 / ハロゲン架橋複核錯体 / 圧力誘起相転移 / 3次非線形光学定数 / 相転移 |
研究概要 |
ハロゲン架橋白金錯体(M-X系)における自己束縛励起子(STE)の発光を、フェムト秒周波数上方変換法を用い,ハロゲンをCl、Br、Iと変えて測定した。結果は相互作用モードに基づく断熱ポテンシャル上の波束の振動モデルでよく再現できた。その結果、Pt-Cl、-Brの発光の基本的な振舞いは相互作用モードに含まれる振動の位相緩和に起因する局所振動エネルギーの結晶全体への散逸として解釈された。ところがPt-I系ではどの発光エネルギーで見ても発光寿命は非常に短く(0.6ps程度)、波束が振動を繰り返す間もなく、励起子そのものが無輻射的に緩和していることが分かった。この系ではSTE状態はもはやよく定義された状態ではなく、光誘起相転移への短寿命中間状態として認識すべきで、無輻射遷移緩和のうちの一定割合はソリトン対へと転換し、光誘起ドメイン生成に寄与していると解釈される. 一次元鎖を持つ複核Pt錯体(MM-X系)では、より多彩な電子相の存在や相転移の発現が期待できる。PtPt-I錯体において、カウンターイオンが異なる20種類以上の錯体について、偏光反射・ラマン散乱スペクトルおよびスピン帯磁率の測定を行った。その結果、Pt間距離(d(Pt-I-Pt))の減少につれて、電荷分極相、CDW相、モットハバード相が現れることがわかった。電荷分極相にある錯体に圧力を印加したところ、いくつかの錯体でCDW相への相転移が確認された。((C_2H_5)_2NH_2)_4[Pt_2(pop)_4I]は、約0.5GPaの圧力でCDW相に転移するが、この圧力誘起相転移のヒステリシスは0.4GPa程度あり非常に大きい。このヒステリシスの領域で、系が準安定となった状態に光を照射したところ、安定な相への光誘起相転移をおこすことがわかった。この他,フォトクロミック化合物単結晶の光異性化について新しい知見を得た.
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