研究課題/領域番号 |
11215206
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
相原 正樹 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (70091163)
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研究分担者 |
稲垣 剛 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (10253139)
高橋 聡 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80212009)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 励起子 / ボーズ凝縮 / BCS状態 / 巨視的量子状態 / 電子相関 / 超伝導 / Eliashberg方程式 / 非線形光学 / コヒーレンス / シュレディンガー方程式 |
研究概要 |
本研究では、高密度励起子系における巨視的量子状態に関する理論的研究を行った。高密度状態での多体効果をなるべく正確に取り入れるためにフェルミ粒子描像に基づいて解析した。一般化された乱雑位相近似(GRPA)とBeth-Salpeter方程式を組み合わせて2体のグリーン関数を解く事により、量子揺らぎを十分に取り入れた発光スペクトル形状を計算することに初めて成功した。即ち、鋭い発光線を有する比較的低密度での励起子ボーズ凝縮状態(BEC)と、高エネルギー端で特異性を持つ広い発光帯を示すFermi面上でBCS状態との間の移り変わり(BEC-BCSクロスオーバー)の様相が広い粒子数密度領域で定量的に明らかにされた。BCS的秩序を取り入れたバンド繰り込み効果(粒子数密度の増大によるバンドギャップの減少)を計算し、実験結果と非常に良く一致する結果を得た。更に、Eliashberg方程式を数値的に厳密に解く事により、高密度電子正孔系でのBCSギャップの存在を検証する有力な手段である赤外/THzスペクトルの解析を行った。量子揺らぎを考慮した場合のBCSギャップの評価を行いBCS状態の安定性を示し、また、光により増強された電子正孔系における巨視的量子状態の存在を明らかにした。更に、本研究では光励起された強相関電子系の研究も行った。2次元ハバードモデルを基にして、同一サイトでのクーロンエネルギーが十分に大きい場合の多光子励起状態における有効ハミルトニアン(t-Jハミルトニアンの一般化)を導出した。それを数値的に厳密対角化することにより、種々の相関関数を計算して、超伝導相、強磁性相、スピンスパイラル相などが光誘起される事を示した。20サイト数の計算なので断定は出来ないが、本研究の結果は光誘起超伝導を始めとする強相関電子系における光誘起相転移が実験的にも検証される可能性を強く示唆するものである。
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