研究課題/領域番号 |
11215208
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
唐沢 力 大阪市立大学, 理学研究科, 教授 (90106336)
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研究分担者 |
飯田 武 大阪市立大学, 理学研究科, 教授 (80047191)
中山 正昭 大阪市立大学, 工学研究科, 教授 (30172480)
赤井 一郎 大阪市立大学, 理学研究科, 助教授 (20212392)
鈴木 正人 大阪市立大学, 理学研究科, 講師 (70254381)
溝口 幸司 大阪市立大学, 工学研究科, 助教授 (10202342)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
51,200千円 (直接経費: 51,200千円)
2001年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 40,700千円 (直接経費: 40,700千円)
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キーワード | 高密度励起子 / BiI_3積層欠陥励起子 / 層状結晶(GaSe,PbI_2) / 励起子の超流動性 / GaAs / AlAs超格子 / タイプ-II超格子・量子井戸 / Bose-Einstein統計性 / 励起子系での巨視的量子現象 / GaSe / 励起子のポーズ凝縮 / 励起子の超流動 / 光誘起相転移 / Gase |
研究概要 |
半導体二次元界面における光誘起高密度励起子集団の特異な振舞いに関して以下の成果を得た。 1.層状結晶BiI_3中の積層不整界面に局在する擬二次元励起子(SFE)を、ピコ秒色素レーザーで高密度に生成し、ポンプ・プローブ吸収、ポイント励起発光、2光束空間分離励起縮退四光波混合などのスペクトルに時間・空間分解分光法を適用してその空間的挙動を調べた。その結果、ある密度以上でコヒーレントに伝播する励起子成分を検出した。この成分はSFE系が長距離秩序を持った位相空間凝縮(ボーズ凝縮)相であると結論づけた。またGaSe、PbI_2結晶などでは励起子同士の非弾性散乱が分子形成とともに高密度状態を特徴づけていることも明らかにした。 2.GaAs/AlAsタイプ-II超格子では励起子寿命がμs域と長いために、励起子系の冷却効率が高い。この長寿命性に着目し、GaAs(3.5nm)/AlAs(3.5nm)タイプ-II超格子試料における発光減衰過程での時間分解スペクトルの詳細な測定を行った。発光バンド形状の解析から、1×10^<10>cm^<-2>程度の励起子密度以上で励起子分子密度が閾値特性を有して顕著に増大し、さらにその閾値特性が、励起強度と温度に大きく依存することを見出した。この結果を統計力学的に解析し、励起子・励起子分子系においてBose-Einstein統計性が発現しているという結論を得た。 3.理論的取組みとして、タイプII量子井戸中の擬二次元励起子系の秩序状態とその相転移について調べた。この系には位相の空間構造に依存して、励起子の超流動に伴う相(S相)と伴なわない相(I相)およびノーマル相(N相)が存在すること、およびS相とN相、I相とN相の間の相転移機構として、各々defect-mediated Kosterlitz-Thouless転移、巨視的長さのソリトン励起を導入し、相転移の温度依存性を明らかにした。
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