| 配分額 *注記 |
15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1999年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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| 研究概要 |
ポリ(L-乳酸),すなわちポリ(L-ラクチド)[poly(L-LA)]は高融点かつ生体適合性・機械的特性に優れるという長所を有する反面,硬くて脆く,分解速度が極めて緩慢という短所も併せ持つ.そこで本研究では, poly(L-LA)の有する長所は出来る限り維持しながら,その短所を改善して広範な用途を持つ新規ポリエステル系生分解性高分子を調製するととを目的とした.その結果,以下の有意義な成果が得られた.
・DPユニット導入による,poly(L-LA)の分解性向上種々のアミノ酸とオキシ酸誘導体から合成されるデプシペプチド(DP)モノマーとL-LAとの共重合化により,酵素分解速度はpoly(L-LA)に比べ大きく向上した.また,アミノ酸としては天然に存在するL-体を用いたときに分解速度が最大となることも判明した.
・CLユニット導入によるpoly(L-LA)鎖の柔軟性の改善
カプロラクトン(CL)およびその誘導体(4-アルキルカプロラクトン)ユニットをpoly(L-LA)主鎖に導入することにより, poly(L-LA)の硬くて脆い短所が大きく改善きれ,ちらにこれにより分解速度のコントロールも可能であることがわかった.
上記の結果から,DP/CL/L-LAの三元共重合体を合成したところ,特にその組成が約5/20/75の時に分解性と物性が高度にバランスのとれた新規生分解性高分子となることが判明した.また,これら結果の公表(学会発表や研究成果発表会)により,企業等との共同研究すなわち産学連携に繋がった.
生分解性高分子の多用途,化や高機能化のためにはpoly(L-LA)のような脂肪族ポリエステルだけでは困難である.そこで我々は,種々の官能基を有するラクトン類を新たに合成し,これらとL-LAとの共重合体を調製することを試みた.その結果,水酸基を有するラクトンとL-LAとの共重合体では酵素分解性が大きく向上することがわかった.また,反応性二重結合を有するラクトンとL-LAとの共重合体を合成後,これを種々の条件下で官能基変換することにより二重結合/エポキシ/ジオールの三つの官能基組成を任意にコントロールすることが可能であった.さらに,この共重合体から化学修飾により架橋体を合成することにも成功した.
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