研究課題/領域番号 |
11217216
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岩田 忠久 理化学研究所, 高分子化学研究室, 副主任研究員 (30281661)
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研究分担者 |
久野 玉雄 理化学研究所, 理論構造生物学研究室, 研究員 (20312267)
平石 知裕 理化学研究所, 高分子化学研究室, 研究員 (20321804)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 生分解性脂肪族ポリエステル / 単結晶 / フィルム / 結晶構造 / 表面構造 / 加水分解酵素 / 高次構造解析 / 生分解性機構 / 結晶化 / 生分解性 / 脂肪族ポリエステル / 透過型電子顕微鏡 / 分解酵素 / 酵素精製 |
研究概要 |
本研究では、微生物及び化学合成により得られた生分解性脂肪族ポリエステルの結晶・表面構造を、透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、X線回折、コンピュータによるエネルギー計算により解析すると共に、単結晶および薄膜結晶の酵素分解機構を分子・原子レベルで解明した。さらに、ポリヒドロキシブチレート(PHB)分解酵素の結晶化および結晶構造解析にも着手した。 ポリ([R]-3-ヒドロキシブチレート)(P3HB))及びその共重合体、ポリ([R]-3-ヒドロキシバレレート)(P3HV))、ポリ乳酸ぐポリ(β-プロピオラクトン)(PPL)、ポリ(4-ヒドロキシブチレート)、ポリ(δ-バレロラクトン)(PVL)、ポリ(εニカプロラクトン)(PCL)、ポリエチレンサクシネート(PES)の単結晶あるいは薄膜結晶の生成に成功した。透過型電子顕微鏡による電子回折、ポリエチレン修飾の解析結果をもとに、単結晶中の分子鎖の配向性、分子鎖の折れ曲がり構造を決定した。さらに、原子間力顕微鏡のex situとin situ測定により、結晶成長に関する新たな知見を得ることに成功した。PPLとPVLに関しては、単結晶マットを作製し、X線回折、電子回折およびエネルギー計算により、三次元結晶構造解析を完了した。 P(3HB)及びその共重合体、PPL、PCL、PES単結晶については、PHB分解酵素あるいはリパーゼを用いた酵素分解試験を行った。その結果、単結晶の分解は、結晶の側面から優先的に進行し、結晶表面の分子鎖の折れ曲がり部分は分解されないことがわかった。すなわち、分解速度は結晶側面量によりコントロールできると考えられる。さらに、明視野・暗視野回折コントラスト法と酵素分解様式から、単結晶は微結晶の集合体であるという新しい考えを提唱した。 基質吸着部位を元来持たないシングルドメイン構造を有するカビ由来のPHB分解酵素に関して、通常の蒸気拡散法により結晶化に成功した。PHB分解酵素の結晶化の成功例はこれまで報告されておらず、本酵素が世界で初めての成功例である。大型放射光施設SPring-8 BL45PXにて回折実験を行ったところ、分解能1.6Aまでの反射が確認された。
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