研究課題/領域番号 |
11218206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 孝一 京都大学, 工学研究科, 教授 (40111942)
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研究分担者 |
中川 浩行 京都大学, 工学研究科, 助手 (40263115)
河瀬 元明 京都大学, 工学研究科, 助教授 (60231271)
前 一広 (前 一廣) 京都大学, 工学研究科, 教授 (70192325)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
35,500千円 (直接経費: 35,500千円)
2002年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2001年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
2000年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1999年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
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キーワード | クリーン燃料 / 高温溶剤抽出 / カルボール油 / 灰分 / 溶剤循環 / フラクショネーション / 石炭 / 高温抽出 / クリーンコール / 溶剤リサイクル / 微量金属 / フラクション分離 / 石炭の前処理 / 石炭の高温抽出 / 褐炭の脱水 / 事前脱灰 / 事前脱硫 |
研究概要 |
石炭を灰分や硫黄分を含まないクリーンな燃料に転換することを目的とし、流通型反応器を用いて、溶剤による石炭の高温抽出について検討した。抽出溶剤としてテトラリンと石炭由来のカルボール油、,クレオソート油を用い、350℃、10MPaにおいて20種類の石炭の抽出を実施した。 石炭の高温抽出により、室温でも溶剤に溶解している溶解成分、高温では溶剤に溶解するが室温では不溶の析出物、高温でも溶剤に不溶の残渣が得られた。高温で抽出される成分(溶解成分+析出物)の収率は、テトラリンを溶剤として用いた場合、瀝青炭で65〜80%にも達し、析出物の収率も40%程度であった。石炭由来の実溶剤であるカルボール油を溶剤に用いると、低ランク炭でも瀝青炭同様高い抽出率を得ることができたが、析出物はほとんど得られなかった。これはカルボール油中の極性物質によって溶解力が増したためと考えられた。 高温抽出により得られた抽出物は、灰分量の少ないクリーンな成分であった。硫黄分に関しては、テトラリンを用いた場合は、ほとんどが残渣に残存し、硫黄分の非常に少ない抽出物が得られたが、カルボール油の場合は、硫黄分の大半が溶解成分に流れ出た。これは、カルボール油中の極性物質がパイライトと反応し、硫黄分が溶剤に溶解する成分に転換されてしまったためと考えられた。溶剤の使用量を低減するために溶剤の循環使用を試みたところ、溶剤中に含まれる溶解成分によって溶剤の溶解力が増し、抽出率が増加することがわかった。また溶剤の循環により析出物の灰分含有量が2%程度から0.2%以下まで劇的に減少させることができた。これは溶解成分に含まれる灰分により、石炭中の灰分の凝集が促進され、より多くの灰分が残澄中に残存するためと推定できた。 以上のように、提案した高温抽出法は、石炭から低灰分、低硫黄分のクリーンな成分を大量に抽出する有効な方法であることを明らかにした。
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