研究分担者 |
後藤 輝孝 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60134053)
榊原 俊郎 東京大学, 物性研究所, 教授 (70162287)
青木 晴善 東北大学, 超低温科学センター, 教授 (60302246)
秋光 純 青山学院大学, 理工学部, 教授 (80013522)
世良 正文 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40196978)
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配分額 *注記 |
23,800千円 (直接経費: 23,800千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2000年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1999年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
本研究は,「軌道秩序(軌道整列)」及び「軌道の揺らぎ」をキーワードにして,2p電子,3d電子,4fならびに5f電子系に至るまで横断的に研究を遂行することにより,軌道自由度のもたらす新しい物性を明らかにした。さらに,未知の要素が多い軌道自由度を積極的に制御して,新しい物性をもたらす物質も開発した。特にMgB2における高温超伝導の発見とその基礎的物性解明が特筆される。この物質では,シグマ軌道とパイ軌道という性質の異なる電子軌道が存在することが本質的であることを明らかにした。MgB2については,大型単結晶の作成など,本領域の終了までには解決できなかった問題があるものの,研究領域としては将来性のある重要課題を提起し,先導的な役割を果たすことができた。一方,磁性元素を含まない高温強磁性体の海外での報告を受けて,その詳細な検証と新物質CaB2C2を報告したが,Fe不純物の効果を排除できてはいない。 f電子に関する成果としては,CeB6およびその関連物質の特異な軌道秩序と物性,ウラニウム化合物の隠れた秩序と軌道秩序の関連,自発的に低次元化する系Yb4As3とその関連物質の物性を明らかにしたことなどが挙げられる。計画研究以外の研究者にも公開する形の国内研究会を,年度毎に行ったほか,MgB2の発表後には速報研究会を組織した。また2002年には仙台で国際会議を開催した。国内外から150人程度の参加者を得て質の高い議論が続き,非常な盛況であった。この会議の議事録は,日本物理学会のJournal of the Physical Society of Japanの補遺として刊行された。
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