研究課題/領域番号 |
11224211
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
小林 速男 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 教授 (60057635)
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研究分担者 |
徳本 圓 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノテクノロジー研究部門, 研究グループ長
藤原 秀紀 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (70290898)
鈴木 敏泰 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60260030)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
40,700千円 (直接経費: 40,700千円)
2001年度: 12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2000年度: 14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
1999年度: 13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
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キーワード | 磁性有機伝導体 / 分子磁性 / 分子性超伝導体 / 有機超伝導体 / 磁性超伝導体 / 有機強磁性体 |
研究概要 |
13年度は本研究計画の最終年度である。研究代表者は本研究計画を申請するに当たり、磁性と伝導の相互作用により、新しい機能を発揮する磁性有機伝導体の開発を行い、これまで未開拓であった、分子磁性と分子性伝導体の2分野の境界領域を開拓する事を主な目的に掲げた。研究計画の申請以前には磁気秩序と有機超伝導が両立した有機伝導体は知られて居らず、その実現は非常に困難であろうと予想されたが、初年度に、世界初の反強磁性有機超伝導体、κ-(BETS)_2FeBr_4を発見したが、その後この系の磁性アニオン部はメタ磁性をも示すことが見いだされた。本年度はメタ磁性と有機π分子系の超伝導の相乗作用により、超伝導状態を内部磁場で制御することが可能となり1.5T程度の磁場により超伝導をシャープにON-OFF出来る機能を発揮させる事が出来る事を証明した。同時に、アニオン層のFeスピンによる有機伝導層内の内部磁場と外部磁場が打ち消し合う磁場で電気抵抗の減少が見られる事を見いだした。この発見は昨年度報告した、λ-(BETS)_2FeCl_4の磁場誘起超伝導現象を引き起こすJaccariono-Peter compensation effectが反強磁性有機超伝導体κ-(BETS)_2FeBr_4でも重要な役割を果たしている事を意味し、実際、磁場誘起超伝導現象が約12.5Tが発見されたことと一致している。無機伝導体では一例しかない希有な現象がλ-(BETS)_2FeCl_4に引き続いて有機伝導体で発見されたことは驚きである。昨年報告したλ-(BETS)_2FeCl_4の磁場誘起超伝導現象については本年度40Tを超える高磁場領域まで測定範囲を広げて温度-磁場相図を決定した。BETS分子層に発生している内部磁場は約33Tで前述のκ-(BETS)_2FeBr_4の場合の約3倍である。またFeサイトにGaを取り込んだ混晶系、λ-(BETS)_2Fe_xGa_<1-x>Br_yCl_<4-y>においても磁場誘起超伝導現象など種々な新奇な磁気-伝導現象が発見された。
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