配分額 *注記 |
25,500千円 (直接経費: 25,500千円)
2002年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2001年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2000年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1999年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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研究概要 |
Mg系水素吸蔵合金は軽量かつ高い吸蔵能力を有することから次世代の水素吸蔵材料として期待されている。本研究では立方体アンビル式超高圧発生装置を用いてMg-(アルカリ土類金属,遷移金属,希土類金属)系において新規水素化物を探索し、合成された水素化物の結晶構造や水素含有量を明らかにすることを第一の目的とした。新規水素化物の合成には最高6GPaの超高圧を発生可能な立方体アンビル式超高圧合成装置を用いた。探索対象は、1)MgH_2-TM(TM=Mn, Fe, Co, Ni, Cu),2)MgH_2-CaH_2-Ni,3)MgH_2-REH_3(RE=Y, La)とした。探索の結果、3〜5GPaの圧力下でMg_2Ni_3H_<3.4>(斜方晶系)、Mg_3MnH_<5.6>(単斜晶系)、(Ca_<0.6>Mg_<0.4>)_2NiH_x(BCC)、MgCaH4(BCC)、MgY_2H_<7.8>(FCC)、Mg_3LaH_9(正方晶系)が新規水素化物として合成された。水素含有量に関しては、Mg_3MnH_<5.6>が4.2mass%と高容量であることが判明した。これら新規水素化物は460〜650Kにおいて水素放出に伴う相分解を生じるが、MgY_2H_<7.8>は600Kでの部分的な水素放出後もその結晶構造を維持した。この理由としては、部分的な水素の放出がFCC構造中の水素占有サイトである0サイトに由来し、Tサイトを占有する水素が結晶構造の維持の役割を担うことが第一原理計算により解明された。また、第一原理計算では水素の放出に伴う格子定数の増加も再現された。また、本研究では伸展材として広く用いられているAZ31合金に水素化処理を施し、HDDR反応が引き起こされるか、また、結晶粒微細化効果があるかについて検討することを第二の目的とした。水素化・脱水素化条件を検討した結果、AZ31合金においては、水素化によりMgH_2、Al、Mg_<0.42>Al_<0.58>相が析出し、脱水素化により再び固溶体合金が得られることが判明した。透過電子顕微鏡による組織観察から、HDDR反応が起こったAZ31合金において結晶粒径が100nm程度に微細化されたことが判明した。また、板材にHDDR反応の適用を試みたところ、表面層20μm程度の厚みで処理できることが確認された。
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