配分額 *注記 |
23,000千円 (直接経費: 23,000千円)
2002年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2001年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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研究概要 |
本研究では,溶融塩電解精製法がMg金属の高純度化やMg材料のリサイクルに適用可能かを検討した.溶媒塩には実際にMg金属の溶融塩電解に用いられるMgCl_2-NaCl-CaCl_2,およびMgCl_2-NaCl-KClを用いた.まず,これら溶融塩中でのMgや合金元素,不純物元素の電気化学的挙動を測定し,効率的な電解を行うための条件を明らかにした.この結果に基づき,市販のMg金属の電解精製を行い,Mg金属を高純度化することが可能であることを示し,必要な条件を明らかにした.また,Mg材料のリサイクルを念頭に置き,市販のMg合金の電解精製を試み,合金元素の挙動を明らかにすることにより,溶融塩電解精製法がMg材料のリサイクルに適用可能であることを示した.さらに,3層電解法と呼ばれる手法に着目して研究を行い,Mg-Cu合金を陽極とすることにより,より効率的な電解が実現可能であることを確かめた.以上の研究成果から,溶融塩電解精製法は,高純度Mg金属の製造法,あるいはMg材料スクラップのリサイクリング法として有用であると結論づけた. 本研究では,溶融塩電解によるMg金属の製造法の高度化を目指し,有用金属を含むMg金属の直接電解採取法についても検討した.添加元素には希土類金属に着目した.上記と同様の溶融塩浴に希土類金属塩化物を添加して電解したところ,希土類金属を含むMg金属が得られた.希土類金属の含有量は,溶融塩中の希土類金属塩化物の濃度などの条件により制御可能であった.電解で得られたMg金属と同程度の希土類金属を含むMg金属を試製して耐食性を調べたところ,市販のMg金属より遙かに耐食性が向上していることを明らかにした.以上の研究成果から,本方法は,Mg合金の母合金を非常に簡単に製造する方法であるだけでなく,Mg金属の高付加価値化にも有効であると結論づけた.
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