研究課題/領域番号 |
11228203
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
増田 秀樹 名古屋工業大学, 大学院・物質工学専攻, 教授 (50209441)
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研究分担者 |
舩橋 靖博 名古屋工業大学, 大学院・物質工学専攻, 助手 (00321604)
小澤 智宏 名古屋工業大学, 大学院・物質工学専攻, 助手 (70270999)
実川 浩一郎 名古屋工業大学, 大学院・物質工学専攻, 助教授 (50235793)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
59,600千円 (直接経費: 59,600千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2001年度: 15,200千円 (直接経費: 15,200千円)
2000年度: 30,400千円 (直接経費: 30,400千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | ハイドロパーオキサイド / 非共有結合性相互作用 / 酸素の可逆的脱着 / 二核鉄錯体 / ビス-μ-オキソ銅(III)錯体 / CH活性化 / 四面体歪み / 活性酸素 / ペルオキシド / ヘムエリスリンモデル / 高原子価錯体 / 酸素活性化 / メタンモノオキシゲナーゼ / 非ヘム酵素 / 酸素の可逆性脱着 / スーパーオキサイド / 亜鉛錯体 / ヘムエリトリンモデル / 酸素活性化機構 / SOD活性 / 鉄-パーオキソ錯体 / 非ヘム酵素モデル / α-ヒドロキシ化 / 鉄-ハイドロパーオキソ錯体 / カテコールジオキシゲナーゼモデル / 酸素の可逆的脱着機能 / 酸化触媒 / 酸素添加酵素 / 非共有性相互作用 / アルキルパーオキソ錯体 / ハイドロパーオキソ錯体 / 単核鉄錯体 / 単核銅錯体 / 反応中間体 |
研究概要 |
生体系が行っている酸素の捕捉・活性化機構を解明することを目的に、金属酵素の活性部位構造を模倣した金属錯体分子を精密に設計・合成し、それらのキャラクタリゼーションを行った。我々の戦略は、酵素の基質特異性の半分以上は基質分子の認識能が寄与し、その残りを活性部立による酸素活性化能が果たしていると考えており・活性部位粉子を認識する基として非共有結合性相互作用基の導入を行った。その結果、多くの重要な成果を得ることに成功した。その幾つかは次のようなものである。 (i).ハイドロパーオキサイドを捕捉・活性化するドーパミントヒドロキシラーゼのモデル錯体として、独自の設計指針により銅錯体を合成した。この錯体は非常に活性なハイドロパーオキサイドイオンを水素結合と疎水場によって安定化・不安定化を制御できることを見出した。この安定捕捉は世界で初めての成功である。また相反する結果として、配位構造を平面性に変えることにより銅触媒としてはこれまでで最高の触媒活性を示す錯体の合成に成功した。 (ii).酸素の可逆的脱着を示すヘムエリスリンモデルとして、非共有結合性相互作用基を導入した鉄二核錯体を合成した。そしてそれが酸素の可逆的脱着能を有することを示した。更に、この研究を基に水を媒介としたプロトン移動が、酸素の可逆的脱着を制御していることを初めて示した。 (iii).飽和炭化水素を水酸化する酵素メタンモノオキシゲナーゼのモデルとして、高原子価銅印の錯体を設計・合成し、その酸化活性を検討したところ、高い結合エネルギーを有する飽和炭化水素の水酸化を達成した。 (iv).また、(iii)に高歪みを加えた高原子価銅(III)錯体の合成にも成功し、やはりC-H活性北能を発現することが示された。 (iii),(iv)は共に金属による酸素の四電子還元にも成功しており、これは燃料電池のカソード側の原理でもあり、重要な知見を得ている。
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