研究課題/領域番号 |
11228206
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
伊東 忍 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30184659)
|
研究分担者 |
舘 祥光 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50336757)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
60,700千円 (直接経費: 60,700千円)
2002年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2001年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2000年度: 14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
1999年度: 30,600千円 (直接経費: 30,600千円)
|
キーワード | 分子状酸素の活性化 / 二核銅酸素錯体 / ペルオキソ錯体 / オキソ錯体 / 芳香族水酸化反応 / 脂肪族水酸化反応 / 酸素添加反応 / 反応機構 / 活性酸素 / 反応制御 / 二核金属酸素錯体 / C-H結合活性化 / 金属酵素活性中心モデル / 酸素添加酵 / 非対称型二核遷移金属錯体 / 二核銅酸素錯 / 配位子合成 / 三核銅酸素錯体 |
研究概要 |
ビス(ピリジルエチル)アミン系3座配位子およびビス(ピリジルエチル)エチルアミン系2座配位子を用いて調製した一連の銅(I)錯体と分子状酸素との反応について詳細に検討を行った。その結果、3座配位子を用いた場合には、サイドオン型の二核銅(II)ペルオキソ錯体が生成するのに対して、2座配位子を用いた場合には、酸素-酸素結合が開裂して生成する高原子価のビス(μ-オキソ)二核銅(III)錯体が選択的に得られることを見いだした。3座配位子を用いて調製したサイドオン型の二核銅(II)ペルオキソ錯体はフェノラート誘導体と効率よく反応し、対応する酸素化生成物であるカテコール誘導体を定量的に与えた。詳細な速度論的検討の結果、本反応はペルオキソ種による芳香族求電子置換反応機構で進行することを明らかにした。本反応はチロシナーゼの反応機構に対して重要な知見を提供する世界で最初のモデル反応である。一方、2座配位子を用いて調製したビス(μ-オキソ)二核銅(III)錯体は脂肪族の効率的な水酸化反応やスルフィドおよびボスフィンへの効率的な酸素添加反応を行うことが分かった。これらの反応機能についても速度論的に検討を加え、それらの詳細を明らかにした。さらに、ビス(μ-オキソ)二核銅(III)錯体と10-メチル-9,10-ジヒドロアクリジンや1,4-シクロヘキサジエンなどとの反応では、酸素錯体の不均化によって生成する新規な(μ-オキソ)(μ-オキシラジカル)二核銅(III)錯体の関与が強く示唆され、メタンモノオキシゲナーゼの反応機構について重要な情報を提供した。さらに立体障害の小さいアルキル基を導入した2座配位子を用いた場合には、混合原子価の三核銅(II, II, III)錯体を得ることに成功し、マルチ銅タンパク質の機能解明に有用な情報を提供した。その他、中心金属としてニッケルを用いて同様の酸素錯体を得ることに成功すると共に、分子状酸素の同属体であるジスルフィド誘導体の還元的開裂過程の精密制御にも成功を収めた。
|