研究課題/領域番号 |
11228207
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
成田 吉徳 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 教授 (00108979)
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研究分担者 |
島崎 優一 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助手 (80335992)
谷 文都 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 助教授 (80281195)
松井 栄樹 九州大学, 有機化学基礎研究センター, 非常勤研究院
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
59,600千円 (直接経費: 59,600千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2001年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2000年度: 38,400千円 (直接経費: 38,400千円)
1999年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 酸素分子活性化 / エトクロムc酸化酵素 / 光合成 / 酸素発生錯体 / マンガンポルフィリン / 高原子価錯体 / 酵素モデル / 水の酸化分解 / 酸素発生 / マンガン二核錯体 / 酸素活性化 / シトクロムc酸化酵素 / ペルオキソ錯体 / 金属酵素 / モデル化 / 酵素分子活性化 / 酸化触媒 / 酵素反応 / チトクロームc酸化酵素 / チトクロームP450 / ペルオキシ錯体 / 化学モデル / compound 0 / 酸素錯体 / チトクロームP-450 / チリクロームc酸化酵素 / モデル化合物 |
研究概要 |
酸素と水の活性化と相互変換を司る代表的な二種の金属酵素の反応機構解明を目的に研究を進めた。 酸素の4電子還元を行うチトクロムc酸化酵素の機構解明は、その早い反応速度のために今なお決着していない。また、酸素活性化に対して酵素反応部位に存在する各種の残基の果たす役割も未解明である5そこで化学モデルを用いて研究を進めた結果、次の2点において大きな成果が得られた。 1.鉄ポルフィリンに銅トリス(2-ピリジルメチル)アミノ基を化学結合させた還元型錯体と酸素よりペルオキソ錯体が得られる。今回、その結晶構造解析に成功し、ペルオキソ基は鉄に対して'side-on'で配位したμ-η^2:η^2型構造を取ることが明かとなった。この構造解析により、その他の酸素錯体の構造の議論のみならず、その後の活性化反応の経路の議論が可能となった。 2.この酵素活性中心近傍に存在するヒスチジンと共有結合した特異なチロシン残基の酸素活性化に果たす役割を明らかにするために、クレゴール基を有するモデル錯体を合成し、その酸素との反応経過を追跡した。フェノール部位を持たない錯体では銅-鉄間にμ-オキソ錯体を形成するが、水酸基をもつ錯体では銅(II)-鉄(II)(OH)の酸化体を選択的に与える事が明らかとなり、水酸基の酸素活性化への関与を立証した。 次に、光合成光化学系IIに見られる水の酸化反応をマンガン錯体を用いて再現し、その酸化反応機構解明を目指した。これまで電気化学的な反応により水の四電子酸化と酸素発生を触媒するマンガンポルフィリン二量体の水の酸化反応機構を明らかにするため過酸酸化により含水条件下で量論的な反応を行った。安定に(ヒドロキソ)マンガン(V)オキソ種の生成と同定に成功した。更に、酸性条件とすることにより、水の酸化による定量的な酸素発生を確認した。これはマンガン(V)種が水を酸化することを厳密に立証した世界初の結果である。
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