研究課題/領域番号 |
11231203
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研究種目 |
特定領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
長坂 啓吾 東京理科大学, 理学部・第1部, 教授 (80029470)
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研究分担者 |
堀場 鉚一朗 (堀場 鉚一郎) 東京理科大学, 理学部・第1部, 講師 (00084327)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
56,900千円 (直接経費: 56,900千円)
2001年度: 16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
2000年度: 19,500千円 (直接経費: 19,500千円)
1999年度: 20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
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キーワード | THz分光測定 / 強磁性半導体 / Ga_<1-x>Mn_xAs(x=0.034,x=0.050) / Mn不純物状態 / THz吸収の温度変化 / p-d交換相互作用 / THz発光の機構解明 / 1次元画像 / フォノン異常 / Mn酸化物 / 電荷 / スピン / 軌道 / 常磁性絶縁相 / アダマールマスク / 一次元画像 / 画素10μm / テラヘルツ波 / 共鳴吸収画像 / エバネッセント波 / n-InAs, n-GaAs / 半導体素面 / テラヘルツ波発光機構 |
研究概要 |
(1)低温MBEで作られた強磁性を示す半導体Ga_<1-x>Mn_xAs(x=0.034,x=0.050)のTHz分光測定(0.1〜1000THz)研究から(a)Mn不純物状態(b)Mn不純物伝導と(c)強磁性相転移の研究が進められた。(a)GaAs中のMn不純物をMn^<2+>+hole : acceptorと考えると、赤外分光からアクセプタのイオン化エネルギーは113meVであり、central cell correctionを導入すると有効ボーア半径はa_B=6Aとなり、格子定数と同程度である。一方有効質量近似によれば、有効ボーア半径は21Å、イオン化エネルギーは26meVである。そのためGaAs : Be(N_<Be>=1.8x10^<19>cm^<-3>)の試料では、MI転移を起こしlower Hubbard bandを形成し、0.1〜300THz域でDrude則が観測されている。しかしながら、Ga_<1-x>Mn_xAs(x=0.034,x=0.050)では、0.1〜30THz域にhopping伝導が、15〜300THz域にMn^<2+>+hole : acceptorの水素様電子状態間の遷移などの吸収が観測されている。それらの吸収線幅はMn濃度に伴い広がっている。(b)不純物伝導については、この試料ではGaとAsのantisiteはdonorsを作り、補償比_κ=0.7程度である。またa_B=6Aと経験則(2.78a_B)^3n_C=1で決めたMI転移の臨界濃度はn_C=2.7x10^<20>cm^<-3>であり、上記試料の中性Mn acceptor濃度は〜10^<20>cm^<-3>程度であり、僅かに低い。したがって、中性Mn acceptorA^0からイオン化Mn acceptorA^-へと正孔がvariable range hopping伝導していると考えられる。(c)このhopping伝導によるTHz波吸収の温度変化は、強磁性相転移時の磁化の温度変化と良い対応を示した。上記の結果を総合すると試料の強磁性相転移はp-d交換相互作用によるものであると結論している。(2)1992年のZhangとAustonの研究によれば、n-InAs,n-InP,n-GaAsなどに波長〜0.8μmを中心とする超短パルスレーザ照射によりTHz発光が観測さる。この機構解明のため、結晶の性質を考慮した実験がなされ、分極電流の変化、発生したTHz波の性質を克明に分析した。(3)1次元アダマールマスクによる共鳴1次元画像測定を試みている。
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