研究課題/領域番号 |
11233207
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
柴田 重信 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (10162629)
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研究分担者 |
海老原 史樹文 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (50135331)
秋山 正志 日本学術振興会, 特別研究員(PD) (30298179)
守屋 孝洋 日本学術振興会, 特別研究員(PD) (80298207)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
56,200千円 (直接経費: 56,200千円)
2002年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2001年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
2000年度: 12,700千円 (直接経費: 12,700千円)
1999年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
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キーワード | 体内時計 / 交感神経系 / 末梢時計 / 時計遺伝子 / 自律神経失調症 / 概日リズム / 光同調 / ペプチド / GRP / PACAP / サーカディアンリズム / 同調 / NMDA / カルシウム / カルモジュリン / グルタミン酸 / 8-OH DPAT / メラトニン / ストレス / 視交叉上核 |
研究概要 |
本年度は(1)視交叉上核から末梢時計へ時の情報がどのように伝わるかについて調べた。視交叉上核を破壊すると肝臓の時計遺伝子発現リズムが消失するのみならず、その下流遺伝子であるコレステロール合成や分解にかかわる酵素の遺伝子発現リズムも消失する。したがって、視交叉上核からの信号が末梢時計のリズムリセットに深くかかわっているといえる。交感神経活動がその信号を担っている可能性について調べた。アドレナリンやノルアドレナリンの腹腔内投与により肝臓の時計遺伝子mPer1の発現が増大した。この作用は肝臓のスライス標本でも見い出せたことから、交感神経作動薬は肝臓細胞に直接作用することが明らかとなった。また、mPer1-lucife raseトランスゼニックマウスにアドレナリンを投与したり、交感神経終末を刺激すると、バイオルミネッセンスが増大することから、アドレナ-ジック刺激はmPer1のプロモター領域に直接作用できることが判明した。(2)6-OHDA投与による交感神経系の破壊は肝臓のPer1やPer2遺伝子発現リズムを消失させた。このことから、交感神経系の緊張が末梢時計のリズム形成にかかわっている可能性が考えられた。(3)視交叉上核を破壊すると、肝臓でのノルアドレナリン量のリズム変動が消失するとともに、mPer1やmPer2遺伝子発現リズムも減弱した。視交叉上核のリズム性の出力は交感神経活動のリズム形成に役立っている可能性が示唆された。(4)視交叉上核破壊マウスに毎日一定時刻にアドレナリンを末梢から投与すると、新しいリズムが形成され、そのリズムのピークは薬物投与時刻に依存することが明らかとなった。以上の結果は視交叉上核からの交感神経の活動性が末梢時計のリセットに深くかかわっていることを示唆した。
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