研究課題/領域番号 |
11234206
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 特殊法人理化学研究所 (2002) 国立感染症研究所 (1999-2001) |
研究代表者 |
小倉 淳郎 理化学研究所, 遺伝工学基盤技術室, 室長 (20194524)
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研究分担者 |
幸田 尚 東京工業大学, 遺伝子実験施設, 助手 (60211893)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
30,600千円 (直接経費: 30,600千円)
2002年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2001年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2000年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1999年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
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キーワード | マウス / 始原生殖細胞 / 発生工学 / 顕微授精 / 核移植クローン / 精母細胞 / 精子細胞 / 原始生殖細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、顕微授精および核移植技術を利用し、各ステージの雄性生殖細胞ゲノムを含む胚および胎仔を構築し、これらを遺伝生化学的に解析することにより、雄性生殖細胞の一連の系譜におけるゲノム刷込みなどの父親側ゲノムの変化や全能性の消長などについて明らかにすることにある。マウスを用いて、以下の研究成果を得た。1.胎仔期の全能性と父方ゲノム刷込み:胎齢11.5日の始原生殖細胞(PGC)から生後3.5日までのgonocyteを用いてクローン胎仔を作製し、その刷込み遺伝子発現の多型解析を実施した。その結果、雌雄PGCとも11.5日よりゲノム刷込みの消去が始まり、12.5日には完全に消去されることを明らかにした。また瀬生後3.5日においてはほとんどの遺伝子はまだ父方刷込みが生じていなかった。また、11.5日齢PGCクローンの一部は正常胎仔とほぼ同様の発生能を示した。2.新生仔期精細胞のゲノム刷込み:新生仔期の雄性生殖細胞、いわゆる"first wave"でのゲノム刷込みの進行を確認するために、17日齢新生仔雄マウスの精巣から取り出した円形精子細胞を用いて顕微授精を行った。低率ではあるが正常産子が得られ、その刷込み遺伝子の発現は正常であった。3.一次精母細胞における刷込み遺伝子の解析:減数分裂前の一次精母細胞からの産子作出効率の低下を調べるために、その胎仔の遺伝子発現の解析を行った。その結果、父親性発現遺伝子の発現状態は、Peg5/Nnatの発現減少が見られた以外は正常であった。以上をまとめると、雄性生殖細胞は胎齢11.5日まで全能性を維持し、そこで急速にゲノム刷込み記憶を消失する。そして生後3.5から17日の間に父方ゲノム刷込みが完了する。また、そしてゲノム刷込みの消長は一様に単純ではなく、各遺伝子で別々に制御されている可能性が示された。
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