研究課題/領域番号 |
11235202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 (2002-2003) 国立遺伝学研究所 (1999-2001) |
研究代表者 |
林 茂生 理化学研究所, 発生・再生科学総合研究センター・形態シグナル研究グループ, グループディレクター (60183092)
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研究分担者 |
永渕 昭良 熊本大学, 発生医学研究センター・初期発生分野, 教授 (80218023)
後藤 聡 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (60280575)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
100,200千円 (直接経費: 100,200千円)
2002年度: 24,600千円 (直接経費: 24,600千円)
2001年度: 24,600千円 (直接経費: 24,600千円)
2000年度: 24,600千円 (直接経費: 24,600千円)
1999年度: 26,400千円 (直接経費: 26,400千円)
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キーワード | 細胞接着 / カドヘリン / 上皮細胞 / アドヘレンスジャンクション / 細胞運動 / GFP / Rac / プラコグロビン / ショウジョウバエ / 気管 / 形態形成 / ゲノム解析 / 上皮 / FGF / Notch / MAPキナーゼ |
研究概要 |
ショウジョウバエの気管発生をモデルにしてGFP標識したタンパク質マーカーを用いて細胞運動を経時的に観察する系を確立し、低分子量GTP結合蛋白質Racの機能を解析した。Racの活性化はBcadherinの発現低下を引き起こし細胞間接着の低下と上皮極性の消失を引き起こした。この結果はこれまでのRacの機能に関する考え、すなわち1)Racはlamelipodiaの成長を促進する、2)Racはカドヘリン依存性細胞接着を促進する、に疑問を呈する。Racは生体内のコンテクストによって多様に機能するようである。また気管の形態形成を詳細に解析したところ気管細胞の出す細胞外突起には二種類の形態があり、それぞれの形態を転写因子EsgとSRFが支配しており、Escargot依存的な突起にはalpha-Cateninを含む粒子が細胞接触面に向けて能動的に輸送されていることが明らかとなった。また遺伝子の強制発現による気管発生阻害を指標としたスクリーニングによって細胞運命の転換、細胞死、上皮性の崩壊、細胞接着の低下、細胞移動ガイダンスの異常、など様々な異常を来す遺伝子を同定した。(林) 本年度はαカテニン欠損細胞に様々な変異型αカテニンを再発現させた細胞の単離に成功し、これらの細胞を上皮分化誘導させることにより、不明な点が残るαカテニンの上皮分化における役割を再検討した。その結果、強固な細胞接着に必要な領域を欠いたαカテニンを発現させた細胞でも、上皮細胞に特有なタイトジャンクションが形成される事が分かり、強い細胞間接着と、接着装置複合体の形成が、ある程度独立した経路で制御されていることが明らかになった。一方、プラコグロビン・βカテニン二重欠損細胞を単離し、それぞれ単独の変異体と比較した。その結果βカテニン欠損細胞でもほぼ完全な上皮分化が見られた。プラコグロビン欠損変異体ではデスモソーム形成に以上が見られた。二重欠損変異体では正常な接着構造が見られず両者の機能的な重複が示唆された。(永渕)
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