研究分担者 |
清家 彰敏 富山大学, 経済学部, 教授 (10249261)
小原 重信 千葉工業大学, 工学部, 教授 (00233601)
淺田 孝幸 (浅田 孝幸) 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10143132)
塘 誠 福山平成大学, 経営学部, 講師 (80320042)
鈴木 研一 明治大学, 経済学部, 助教授 (80309674)
寺本 義也 早稲田大学, 大学院・アジア太平洋研究科, 教授 (30062178)
金井 一頼 北海道大学, 経済学部, 教授 (50142831)
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研究概要 |
本研究の実績は,次の通りである。Information Technology(IT)が進展するにつれ,これまでの産業形態は大きく変わりつつある。そこにおいて極をなすキーワードは,一方がデジタル情報の融合であり,他方が地域におけるより濃密なコミュニケーションである。すなわち両者の関係は,補完関係にあり,その補完関係のポジティブフィードバックループを構築することが,技術融合を進めつつ,地域としての産業進化を可能にするメカニズムである,と考えられる。こうした洞察を実証するために,実績報告書では,多数の研究業績の中から,10編を選りすぐった。 第1章では,情報化時代の消費パラダイムとそれを活かす生産システム構築のために,顧客組職化という発想を持ち込み,技術融合と地域産業進化のための基本戦略が述べられる。第2章ないし第4章は,情報化技術に焦点を合わせて,いわゆるものづくりのノウハウがデジタライズされ,それによって生産現場がどのように変化せざるを得ないのかを描き出したケーススタディである。第5章,7章,8章は,携帯電話および航空機産業を取り上げ,そこでの地域産業進化のあり方が,リアルに描き出される。第6章は,産業政策としての地域振興を,サッポロバレーに基づきながらその方向性が模索されている。第9章は,航空機産業における管理会計システムが注目され,経営効率の観点から,地域における参加者として存続可能な企業の経営戦略を考察する。そして第10章では,地域を念頭に置かない金融システムにおいても,じつは,その技術的なアドバンテージを構築するために,地域ネットワークが活用されている,という実情を紹介し,我々の先に掲げた命題を裏打ちする。
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