研究分担者 |
齋藤 政彦 神戸大学, 理学部, 教授 (80183044)
佐々木 武 神戸大学, 理学部, 教授 (00022682)
高野 恭一 神戸大学, 理学部, 教授 (10011678)
増田 哲 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (00335457)
山田 泰彦 神戸大学, 理学部, 教授 (00202383)
高山 信毅 神戸大学, 理学部, 教授 (30188099)
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配分額 *注記 |
20,990千円 (直接経費: 19,700千円、間接経費: 1,290千円)
2001年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2000年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1999年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
この基盤研究の成果の主なものを項目別に概観する. 1.パンルヴェ系のアフィン・ワイル群対称性: 野海・山田は,パンルヴェ方程式のベックルント変換群の構造を抽象化して,双有理変換群としてのワイル群対称性の一つの普遍的な枠組を得た.これは一般のルート系に付随して定義される双有理変換群であり,カッツ・ムーデイ群に起源をもつものである.また,アフィン・リー環に付随する無限可積分系(ドリンフェルト・ソコロフ階層)からの簡約操作によって,アフィン・ワイル群対称性を持つパンルヴェ型非線形微分方程式系の一般的な構成法を得た.これは従来必ずしも明らかでなかった,パンルヴェ系の対称性のリー群論的背景について,一つの統一的な視点を与えるものである. 2.超幾何・パンルヴェ系の幾何学的側面: 佐々木は吉田との共同により,3次曲面のモジュライ空間に対する一意化微分方程式の決定を行った.これによって超平面配置に付随するE(3,6)型超幾何系の部分系として,E_6型ワイル群対称性をもつ微分方程式系が構成された.また,(離散)パンルヴェ方程式の初期値空間についての坂井の研究を踏まえて,齋藤等は,有理曲面の変形理論の代数幾何的観点から,パンルヴェ方程式の初期値空間と微分方程式を再構成する方法を与えた. この研究によって,パンルヴェ系のアフィン・ワイル群対称性の表現論的由来と幾何学的背景についての理解を深めることができた.パンルヴェ系のパラメータがワイル群の鏡映面上にあると,パンルヴェ系は線形化可能な部分系をもち,その線形化方程式は従来の超幾何系の拡張と考えることができる.その意味で,アフィン・ワイル群の双有理作用を「超幾何系とパンルヴェ系の共通の基盤」とするという新しい知見を得た.
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