研究課題/領域番号 |
11304023
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藪崎 努 (薮崎 努) 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60026127)
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研究分担者 |
石川 潔 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (00212837)
熊倉 光孝 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324601)
高橋 義朗 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40226907)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
38,970千円 (直接経費: 36,300千円、間接経費: 2,670千円)
2001年度: 11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2000年度: 15,600千円 (直接経費: 15,600千円)
1999年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
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キーワード | 気体アルカリ原子 / 光ポンピング / スピン偏極 / 超流動ヘリウム / 永久電気双極子モーメント / レーザー分光 / 超高精度測定 / エキシマー |
研究概要 |
本研究の目的は、アルカリ気体原子に低温ヘリウム気体、超流動ヘリウム膜と環境を与え、そこでの原子の振る舞いを研究するとともに、原子のスピン緩和時間を従来になく長くする、スピン偏極に関連する基礎物理学,特に原子の永久電気双極子モーメントの精密測定に最適な原子環境を作ろうとするものである。本研究をとおして、多くの独創的な研究を推進することができた。その成果を箇条書きにすると以下のようになる。 1)液体ヘリウム温度で初めてアルカリ気体セルを実現できた。セル中で10-100秒という気体原子の寿命を実現することができた。 2)このような低温セルにおける原子生成として、微弱な光で有効に働く光誘起原子乖離法を開発し、その機構の解明に成功した。 3)この低温気体セルの実現にセル壁面のヘリウム膜の超流動性が決定的な役割をすることを見出した。この超流動ヘリウム膜は原子をアルカリ原子を反射させるのみならず,原子をセル中央に輸送する重要な役割をもすることを明らかにした。 4)光ポンピングによりスピン偏極実験を行い,スピン緩和時間が従来の最長の値よりも2桁以上長い値を実現でき,EDM実験に最適な原子環境であることを明らかにした。 5)スピン偏極を破壊することなしに観測する方法として,ファラデー効果を利用する方法を開発し、じれが量子非破壊測定をも可能にすることを明らかにした。 6)スピン偏極の空間分布を精密に知る方法として光を用いた磁気影像法を提案し,その有効性を示した。 7)原子に与える新しい環境のもたらす効果として,励起原子とヘリウム原子が結合した分子の精密分光を行い,その生成過程をはじめて明らかにした。これらの成果は、新しい基礎研究の方向を示すものとして世界的にも注目されるに至った。
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