配分額 *注記 |
32,940千円 (直接経費: 31,200千円、間接経費: 1,740千円)
2002年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2001年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2000年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1999年度: 20,700千円 (直接経費: 20,700千円)
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研究概要 |
西熱帯太平洋における石灰質ナノプランクトンの3次元的群集分布を研究し,高温海域,温暖富栄養海域,温暖貧栄養海域では,サーモクラインの上下で海域ごとに異なる群集が存在するが,温帯混合水域では水深による群集変化が存在しないことを明らかにした。また,米国ラモント・ドハティ地球観測所が採取した351点を含む熱帯-亜熱帯太平洋の表層試料485点について石灰質ナノプランクトンの生息数と種組成を研究し,表層水の栄養度レベルに対応した7種類の群集を識別した。これらの群集分布は表層水の東西方向栄養度レベル変化と明確に対応しており,外洋における石灰質ナノプランクトンの地理分布が,緯度方向にも変化することを世界で初めて見いだした。また,熱帯上昇流域では,他のどの海域にもみられない超小型のプラコリスが豊富に産出することを報告し,古海洋学角斬の新たな手段を提供した。 研究船「みらい」を用いた5年間のセディメントトラップ研究では,最終年度の試料が今年2月に回収されたばかりで研究を継続中であるが,エルニーニョからラニーニャへの変化に伴う,石灰質ナノプランクトン群集組成とココリスのフラックス変化を西太平洋暖水塊(WPWP)から混合域までの5地点で計測した。この結果,古海洋学研究に有効なモデルとされるMolfino and McIntyre(1991)モデルは,栄養躍層(nutricline)の深い熱帯太平洋では成立しないことを見いだした。このほか,堆積物中の石灰質ナノ化石含有数測定の新手法を開発し,西太平洋暖水塊を含む西太平洋と熱帯東インド洋からのピストンコア3本について石灰質ナノ化石を精密解析して,第四紀後期における古海洋学的変化を明らかにした。
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