研究分担者 |
薛 献宇 岡山大学, 固体地球研究センター, COE研究員
桂 智男 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (40260666)
伊藤 英司 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (00033259)
XUE Xianyu Institute for Study of the Earth's Interior, COE Postdoc. Fellow
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配分額 *注記 |
38,930千円 (直接経費: 38,600千円、間接経費: 330千円)
2001年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 35,100千円 (直接経費: 35,100千円)
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研究概要 |
本研究の成果を項目毎にまとめて示す. 1.NMR分光器の導入:400MHzのMAS NMR分光器を導入し,その立ち上げを行った.現在までに^<29>Si,^<27>Al,^<23>Na,^1H等の核種のMAS NMR法や交差分極法のルーチン測定が可能になった.平成13年度に別途導入したプローブ等により低共鳴周波数の核の観察も可能になった.また多量子(MQ)測定も可能になった.この装置は共同利用にも供されている. 2.化学シフトの非経験分子軌道法計算:分子軌道法を用いてアルミを含むケイ酸塩クラスターやSiO_2多形の化学シフトや電場勾配などの計算を行った.Alのトライクラスターについても計算を行い,そのNMR的特徴を初めて明らかにした. 3.電場勾配の第一原理計算:第一原理計算によりAl等の電場勾配を計算した.Alを含む酸素欠損ペロブスカイトであるCa_2Al_2O_5構造においてはAl席の電場勾配は非常に大きいことが分かった.この計算は多量子NMRのピーク同定に非常に有用である. 4.含水ケイ酸塩メルトの構造:水とケイ酸塩の相互作用を見るために含水ガラスをHIPで合成し,^1H,^<29>Si,^1H-^<29>Si CP NMRでその構造を調べた.水がケイ酸塩を重合化させることを見つけた.これは従来の常識を覆す発見である. 5.硫黄の溶解に伴うケイ酸塩メルト構造の変化:硫黄がメルト構造をどう変えるかを^<29>Si NMRで調べた.Sとしてsodium disilicateへ加えた場合はメルト構造が重合化することが観察された. 6.鉱物の水和の研究:forsterite, enstatite, diopside多結晶体の水和過程を1H NMR法で調べた.その結果水和層が存在し,その中では重合度が上がっていることが示された. 7.水とケイ酸塩の相互作用の結晶化学:以上の結果などから水と鉱物の相互作用を考える上で重要な結晶化学的指針が得られた.
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