研究課題/領域番号 |
11304042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
富宅 喜代一 神戸大学, 理学部, 教授 (00111766)
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研究分担者 |
吉田 真治 神戸大学, 自然科学研究科, 博士後期課程・日本学術振興会特別研究員
野々瀬 真司 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (70212131)
高須 良三 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
38,680千円 (直接経費: 37,900千円、間接経費: 780千円)
2001年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2000年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1999年度: 29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
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キーワード | アルカリ金属原子 / アルカリ土類金属イオン / 光電子分光 / フェムト秒レーザー / 酸化反応 / 水クラスター / エレクトロスプレーイオン源 / シトクロムc / アルカリ土類金属原子イオン / 水和クラスター / アンモニアクラスター / 溶媒和過程 / レーザー光電子分光法 / 鉄-ポルフィリン / 電気スプレー型質量分析器 / フェムト秒レーザー分光 / 電子移動過程 / 溶媒和電子 / エレクトロスプレー型質量分析器 / クラスター / 光解離分光法 |
研究概要 |
1.Li(H_2O)_n(n≦20)の光解離スペクトルを検討し、n≦4ではLi原子に由来する電子遷移が大きく低エネルギーシフトし、n≧5ではバルクの水和電子の吸収スペクトルに収束することが実証された。溶媒への電子移動と励起状態の動的挙動の関係を調べるために、フェムト秒(fs)レーザーを用いたポンプ-プローブ実験を行い、1:1錯体の励起状態で100ps以下の非常に速い失活が起こることを見出した。他方、溶媒分子の配向緩和時間を調べるため、マックスボルン研究所と共同で、Na(H_2O)_nのfs秒レーザーを用いた二段光電子分光実験を進めている。またp型の価電子をもつAl原子に研究を拡張し、Al-(H_2O)_nイオンの水和過程を光量子分光法と非経験的分子軌道法を用いて調べた。この結果、水分子はAl-負イオンに水素原子側から配位し、n=3以上では水素結合で環型に集合した水クラスターにAl-が付着した構造をとることが明らかになった。 2.金属固体の溶解過程を捉えるために、Na多量体のアンモニアクラスター内での溶存状態をレーザー光電子分光法を用いて検討した。この結果、Na三量体負イオンでは、数分子のアンモニアの配位によりNa二量体と原子に解離が起こり、溶解が始まることを初めて見出した。 3.Mg_+(NH3)_nの光解離スペクトルと解離過程の検討を行い、n=1では溶媒分子への電子移動と水素原子の脱離を伴ったMg_+の酸化反応を見出した。大きなクラスターでは、溶媒分子の蒸発過程だけが起こり、反応が抑制されるとともに、Mg_+イオンがMg2_+にイオン化することが明らかになった。また、Mg(NH_3)_nのfs秒レーザー光イオン化過程を調べ、中性のクラスターの励起状態の反応性と気相中での二価イオンの安定性について新しい知見を得た。 4.エレクトロスプレーイオン源を備えた光解離分光装置を完成させた。また、ヘミン-ジメチルスルフォキシドクラスターの光解離過程を検討した。光解離および熱解離過程の生成物の解析を行うことにより、溶媒分子の蒸発過程と競争して起こるヘミンのβ-解裂反応の機構を明らかにし活性化エネルギーを求めた。シトクロムcのイオン生成と光解離実験を行い、鉄-ポルフィリン核の励起に伴う光誘起反応を明らかにした。
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