研究課題/領域番号 |
11304045
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 京都大学 (2000-2001) 九州大学 (1999) |
研究代表者 |
時任 宣博 京都大学, 化学研究所, 教授 (90197864)
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研究分担者 |
武田 亘弘 京都大学, 化学研究所, 助手 (80304731)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
38,510千円 (直接経費: 36,500千円、間接経費: 2,010千円)
2001年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2000年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
1999年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
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キーワード | 立体保護 / 速度論的安定化 / シラベンゼン / 1-シラナフタレン / 2-シラナフタレン / 9-シラアントラセン / ゲルマベンゼン / 2-ゲルマナフタレン / 芳香族化合物 / ゲルマニウム |
研究概要 |
高周期14族元素(Si, Ge, Sn, Pb)を含む芳香族化合物に関しては、安定な化合物として合成・単離された例は殆どなく、その基本的な構造・性質は未解明である。本研究では、独自に開発した非常にかさ高く有効な立体保護基である2,4,6-トリス[ビス(トリメチルシリル)、メチル]フェニル基(以下Tbt基)を用いた速度論的安定化の手法により、含高周期14族元素芳香族化合物を安定に合成し、その構造・物性を解明することでこれらの化合物の芳香族性の系統的な評価行うことを目的とした。 本基盤研究の研究成果として、Tbt基を高周期14族元素上に導入することによりシラベンゼン、1-シラナフタレン、2-シラナフタレン、9-シラアントラセン、ゲルマベンゼン、2-ゲルマナフタレンを安定な結晶として合成・単離することに初めて成功した。X線結晶構造解析、NMR、UV//vis、ラマンスペクトルの測定、理論計算により、これらの化合物がいずれも対応する炭素類縁体と同様に高い芳香族性を有することが明らかとなった。また、その反応性についても検討を行い、これらの化学種が芳香族安定化を受けているにも関わらず、H_2O、アルコール、オレフィン、アルキン、ケトン、ニトリルオキシド等に対して非常に高い反応性を示し、ケイ素-炭素二重結合またはゲルマニウム-炭素二重結合への付加反応が容易に進行することを明らかにした。 本研究により得られた新規な知見は、これまでほとんど未開拓であった高周期14族元素を含む芳香族化合物の化学の基礎となるものである。今後、これらの知見を元に含高周期14族元素芳香族化合物の新規な物性、機能などが見い出され、機能性物質や新規触媒の開発などの応用研究へと発展することが期待される。
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