研究課題/領域番号 |
11304049
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 直樹 京都大学, 化学研究所, 教授 (10170771)
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研究分担者 |
吉田 弘幸 京都大学, 化学研究所, 助手 (00283664)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
36,670千円 (直接経費: 36,100千円、間接経費: 570千円)
2001年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2000年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1999年度: 27,000千円 (直接経費: 27,000千円)
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キーワード | 有機薄膜 / 電子構造 / 価電子状態 / 空状態 / 紫外光電子分光 / 逆光電子分光 / その場観測 / 測定精度 / 分解能 / 高分解能化 |
研究概要 |
本研究は、基礎・応用両面からの関心が高まっている有機半導体などの分子性薄膜について、電荷輸送や光電変換などの電子物性を担う価電子状態と(その直上の)空状態の広域にわたる両電子構造を、前者は紫外光電子分光法(UPS)、後者は逆光電子分光法(IPES)という有力な直接観測法を組み合わせて用い、同一試料状態のその場観測により精確に把握する手法を確立することを目的として行った。 もともと本研究は、以前から利用してきた自作の紫外光電子分光装置と暫く前にやはり自作した簡易型ともいいうる逆光電子分光装置によって、有機薄膜のそれぞれ価電子・空状態の電子構造について極めて有用な知見が得られるとの実績を踏まえて計画した。そこで、研究の基本的な進め方としては、これらの装置を念頭に置きながら二つの電子分光法の性能をより向上させて結合した新しい測定系の創案・設計・製作を進めるとともに、有機薄膜の調整、試料薄膜のキャラクタリゼーション、電子分光法の極限的測定条件の探索など、そのために必要な種々の具体的な知見・情報を得ることも兼ねて現有装置を駆使しての実測も重ねた。とくに逆光電子分光測定に関しては、有機薄膜の実測例が乏しいため不明瞭な点が少なくなかったので、その測定限界をどこまで押し広げられるか検討しうるデータの取得を心掛けた。 このようにして、当初の研究計画に沿った研究展開により、特定の試料状態にある有機薄膜の広域電子構造を測定精度の接近した正逆光電子分光法によりその場観測するための要件を、詳しく検討することができた。その結果を踏まえながら進めてきた、目的とする有機薄膜の広域電子構造の測定が可能な複合的電子分光測定系の構築については、最終的な性能確認などに若干検討の余地を残す部分があるものの基本的には概ね達成することができた。
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