配分額 *注記 |
30,730千円 (直接経費: 28,000千円、間接経費: 2,730千円)
2001年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
2000年度: 12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
1999年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
独立オレフィン類に対する有機金属試薬の付加反応は反応機構的にも合成的にも重要な反応であるが,対応するカルボニル化合物の反応研究に比べて基礎的情報が欠如している.我々はこの反応に注目し反応の立体化学,分子軌道法を用いた反応機構研究,新規カルボメタル化試剤の開発等を行ってきた.本研究では,高活性でかつ高官能基および立体選択性を兼ね備えた有機金属反応系を開発し,高効率で一般性に富んだ次世代のオレフィンカルボメタル化反応の開拓を目指して研究を行っている.本年は,複数金属からなるクラスター反応活性種が目的達成の鍵であるとの認識に基づき,理論と実験の統合による不斉合成反応の研究を開始した.前年度の検討から得られた実験的知見をもとに高活性なヒドラゾンアニオン遷移金属/典型金属クラスター試薬の設計,開発を行った.この際,溶液内での会合体構造の基礎情報となる結晶構造の解析を行った.以上の実験的研究と並行して,密度汎関数法,多層分子軌道計算等の大規模分子軌道計算を用い可能なかぎり現実の系に近いモデルで有機遷移金属/典型金属クラスターの理論検討を行い,高反応性をもたらす要因の理論的解明を行った.遷移金属/典型金属クラスターの会合状態を制御しうる配位子として,アミノホスフィン類,アミノアルコール類がこれまでの知見より適当と考えられ,この基本構造を有する配位子の設計・合成を通してこれまでに報告例の希少な触媒的不斉カルボメタル化反応の達成が可能とした.研究途上において申請者が特別推進研究の代表者となったため本研究は廃止となったためにそのまま終了した.
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