配分額 *注記 |
37,430千円 (直接経費: 36,200千円、間接経費: 1,230千円)
2001年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2000年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1999年度: 25,300千円 (直接経費: 25,300千円)
|
研究概要 |
本研究では,次にあげる昆虫のグループについて,分子系統学的解析を行い,種多様性を産みだす種分化過程の,系統地理学的側面と,生態進化に密接に関連した側面を明らかにした. (1)日本産海浜性ハンミョウ類の系統生物地理学的解析 海浜性ハンミョウ類の体サイズと大顎サイズの変異を,標本計測によって明らかにし,同時にミトコンドリア遺伝子の分子系統に基づいて種内の地理的分化を明らかにした. (2)オサムシ類の系統生物地理学的・進化生態学的解析 世界のオサムシ類のうち,オサムシ亜族,チリオサムシ族,オーストラリアオサムシ族に関する分子系統解析をおこない,大陸間の多様化の違いを明らかにした.日本のオオオサムシ亜族について,ミトコンドリア遺伝子と核遺伝子を用いた詳細な系統解析を行い,頻繁な浸透交雑をともなう複雑な種分化の様相を明らかにした. (3)世界のマルハナバチ族の系統解析 北米・南米・ユーラシア各地を含む世界各地のマルハナバチ約70種について,アルギニンキナーゼ遺伝子・ウイングレス遺伝子,伸長因子1αの塩基配列に基づいて種間・亜族間の系統関係を解析し,系統進化過程と生態進化を明らかにした. (4)植食性テントウムシ類の食草選択と種分化に関する解析 しばしば食草転換によって種分化が生じると考えられる,東南アジアのニジュウヤホシテントウ群と日本のヤマトアザミテントウ群について,ミトコンドリア遺伝子を用いた系統解析,核型分析,交雑実験による解析を行い,食草を媒介とした生殖的隔離の実態を明らかにした. (5)オオヨモギハムシ種群の分化 食草転換をともなわない種分化の例として,分子系統解析,核型分析を行い,同胞種の共存が大きな遺伝的分化の結果可能になっていることを明らかにした.
|