研究課題/領域番号 |
11305043
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
宮崎 修一 筑波大学, 物質工学系, 教授 (50133038)
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研究分担者 |
石田 章 物質・材料研究機構, 主任研究官
鈴木 博章 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (20282337)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
40,510千円 (直接経費: 39,400千円、間接経費: 1,110千円)
2001年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2000年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1999年度: 22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
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キーワード | Ti-Ni / Ti-Ni-Cu / Ti-Ni-Pd / 形状記憶合金 / マイクロアクチュエータ / スパッタ薄膜 / アルテンサイト変態 / マルテンサイト変態 / 非平衡細織 / 薄膜 / スパッタ法 / 非平衡相 / マイクロマシン / 非平衡組織 |
研究概要 |
本研究では、形状記憶合金の中で最もアクチュエータ特性の優れたTi-Ni二元合金と、第三元素としてCuとPdをそれぞれ添加したTi-Ni-X(X=Cu, Pd)三元合金薄膜を、スパッタリング法により作製し、薄膜固有の新たな非平衡組織の形成条件とその原理を確立することを目的とした。Cuの添加は変態温度ヒステリシスを小さくするのに効果があり、Pdの添加は変態温度を上げるのに効果がある。マイクロマシンで使われるマイクロアクチュエータ素子の応答性を高めるためには、冷却速度を高くすることが要求され、そのためには変態温度ヒステリシスを小さくするか、変態温度を上げることが重要になる。本研究により、超小型駆動源としてのマイクロアクチュエータ素子材料の高性能化を目指した。 Ti-Ni二元合金薄膜では、熱処理温度が結晶化温度近くの場合には、{100}面に平行な板状析出物が形成され、形状記憶特性を改善する効果があることが解った。この析出物は、Ti過剰の組成を持ち、非平衡組織であることが解った。熱処理温度を上げると、この非平衡組織は消え、平衡組織のTi2Niが結晶粒内に一様に分布して析出し、形状記憶特性は劣化することが解った。その結果、最適の変態温度と形状記憶特性を引き出すための熱処理条件が明らかになった。Ti-Ni-Cu三元合金薄膜及びTi-Ni-Pd三元合金薄膜についても、固有の非平衡組織が存在することが確認され、それらが形状記憶特性に関係することが明らかになった。Ti-Ni-Cu三元合金薄膜では、変態温度ヒステリシスが二元系合金薄膜よりも約1/3の値が実現できた。PdをTi-Niに添加したTi-Ni-Pd三元合金薄膜では、最高で562Kの変態温度を実現できた。これは、Ti-Ni二元合金薄膜と比べて約300K高いため、十分に冷却速度を高めることが可能である。
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