研究課題/領域番号 |
11305048
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
花田 修治 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (10005960)
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研究分担者 |
吉見 享祐 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80230803)
正橋 直哉 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20312639)
細田 秀樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (10251620)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
41,570千円 (直接経費: 39,200千円、間接経費: 2,370千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2001年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
2000年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1999年度: 21,500千円 (直接経費: 21,500千円)
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キーワード | 水素吸蔵合金 / サイクル特性 / チタン マンガン / 組織 / 合金設計 / 高分解能電子顕微鏡 / X線回析 / XAFS / Titanium Manganese alloy / 水素 / 水素吸収特性 / 組織制御 / X ray diffraction / SEM-EDS / TiMn_2 / Laves相 / 繰り返しサイクル / 水素化物 / 格子像 / 繰返しサイクル |
研究概要 |
本研究は、水素吸蔵合金の水素吸収特性に及ぼす金属組織学的因子の影響に関する基礎的知見の把握し、長サイクル寿命型水素吸蔵合金開発のための合金・組織設計の指針原理を確立することを目指した。得られた成果の概要は以下の通りである。 TiMn_2基合金の水素吸蔵特性に及ぼす組織および構造の影響…TiMn_2ラーベス相基二元合金について種々の製造プロセスにより同一組成で組織・構造の異なる合金を作製し、それらの水素吸収特性を系統的に調査する。アーク溶製、溶製-熱処理、急冷凝固、および急冷凝固-熱処理の4種類の方法により、組成がTi-56,58,60at.%Mnである合金を作製した。合金はいずれもTiMn_2とTiMnの二相であり、溶製材、急冷凝固材ではTiMn_2相組成のばらつきが大きいが、熱処理により小さくなる。またTiMn相のMn組成はいずれの合金でも約54at.%である。急冷凝固材のX線回折線は熱処理材と比較して回折ピーク比強度が異なることから、熱処理により規則度が変化すると考える。水素吸蔵量は熱処理材と比較して急冷凝固材で著しく低下する。以上より、TiMn_2ラーベス相合金は、TiMn_2相の組成の均質性、および規則度等の構造因子が水素吸蔵特性に影響を及ぼすと考える。 TiMn_2基合金の水素吸蔵くり返し水素吸収-放出にともなう構造変化…C14型Laves相であるTiMn_2相基合金は低Mn濃度側のTi-59at%MnとTi-60at%Mnでは水素吸蔵のくり返し特性が大きく異なる。Ti-60at%Mnはくり返しにより残存水素量が増加し水素吸蔵特性は劣化するが、その原因についてはまだ明らかでない。本研究はくり返し水素吸蔵したTiMn_2相基合金について、X線吸収微細構造(XAFS)を用いてTiならびにMnの局所構造変化を観察し、水素吸蔵特性変化を原子構造の観点から解明ことを目的とする。2つの合金(Ti-59at%Mn、Ti-60at%Mn)について、それぞれに母合金、1回ならびに30回の水素吸蔵くり返し処理、そして脱水素処理した4種類の合金を作製した。XAFSによるMn周囲の局所構造解析からは、Ti-59at%MnならびにTi-60at%Mnの両合金共に、水素吸蔵のくり返しによる最近接原子の平均原子間距離の変化はほとんどみられない。しかし、原子間距離の揺らぎを表すDebye-Waller因子は各合金で差異がある。特にTi-60at%Mnで30回水素吸蔵処理をくり返した合金については、Debye-Waller因子が他の試料と比較して大幅に増加する。
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