研究課題/領域番号 |
11305049
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
小島 陽 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60016368)
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研究分担者 |
鎌土 重晴 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (30152846)
伊藤 吾朗 (伊藤 吾郎) 茨城大学, 工学部, 助教授 (80158758)
福澤 康 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10126477)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
41,810千円 (直接経費: 40,700千円、間接経費: 1,110千円)
2001年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2000年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1999年度: 28,700千円 (直接経費: 28,700千円)
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キーワード | マグネシウム合金 / ECAE加工 / 圧延 / プレスフォージング / 動的再結晶 / 集合組織 / 結晶粒微細化 / 引張特性 / Mg-Al-Zn合金 / Mg-Li-Zn合金 / 超塑性 / 焼なまし軟化特性 / 熱間圧延 / ミクロ組織 / 再結晶 / 成形性 |
研究概要 |
マグネシウム合金は室温では底面すべりしか生じず、そのため冷間加工性が劣るといわれている。そこで、本研究ではMg-Al系およびMg-Li系合金の冷間加工性を向上させるための指針を得ることを目的として、ECAE(Equal Channel Angular Extrusion)による拘束強加工をを加え、(1)材料内部に高せん断ひずみを導入する、あるいはその大きなひずみエネルギーを利用した動的再結晶により結晶粒微細化を図る、(2)従来の加工法では得られない、低温で最も容易に活動可能な底面が押出し方向に対して傾斜した集合組織を形成させ、(1)および(2)の引張特性に及ぼす影響を詳細に調べた。 その結果、マグネシウムに数%のAl、Znを含む合金では、引張方向を押出し方向と一致させ、集積度の高い底面を引張方向に対して45度傾斜させることにより、200〜250℃でECAE加工したままでも0.2%耐力は100MPa以下と、従来の熱間押出し材、熱間圧延材の約1/2まで減少し、伸びは35〜40%と2倍近くまで向上する。その際の伸びの向上は均一伸びの増大に起因する。また、250℃以上での1h等時焼なましにより集合組織中の底面の集積度は低下し、結晶粒径は粗大化する。そのような組織状態では、0.2%耐力はホール・ペッチ則に従い、また焼なましによるひずみ取りの結果、高延性が達成できる。その際の変形モードはすべり変形に加え、変形後期には双晶も発生する。以上の結果から、結晶粒の微細化および集合組織の制御による室温での成形加工の可能性を見出した。さらに、ECAE加工後、鍛造を施し、底面を圧縮方向に対して垂直方向、すなわち引張方向に対して平行に集積させることにより、伸びの減少を抑えつつ、耐力を大きく向上させることが可能となる。その結果、鍛造したままでも6061展伸用アルミニウム合金T6処理材の規格値を上回り、かつ引張特性は正のひずみ速度依存性を示すようになることを明らかにした。 一方、マグネシウム固溶体(α相、hcp)+リチウム固溶体(β相、bcc)二相Mg-Li系合金では、50℃以下でのECAE加工時の高せん断ひずみの蓄積によりTm/2(Tm:合金の融点)以下での引張変形中でも動的再結晶が生じ、結晶粒が微細化することにより粒界が増加し、さらに、再結晶したα相の粒界に沿って変形能の高いbcc構造のβ相が析出し、その結果、粒界すべりが容易となり、低温高速超塑性が発現することを見出した。
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