研究課題
基盤研究(A)
本研究は超小型衛星の開発を実験的に行うことによって、コスト効率が高く安価に成果を得ることができる衛星の開発手法と設計法を研究し、同時に、設計・製作の技術蓄積と次世代の宇宙開発を担う技術者の育成を図ることを目的とした。平成11年度から14年度までの4年間に、本研究のパートナーである九州大学と東京大学は相協力してこの目的を達成したと考える。研究開始当初の段階では共同の目標を設定して、つまり、ひとつの超小型衛星システムを構築することを目指したが、その後の環境の大きな変化により、それぞれ別個の目標を設定することとなった。より具体的にいえば、九州大学では比較的大型の50kg級衛星によってテザー技術実証を目指してこれの基本となる要素技術とシステム構想を固め、東京大学ではきわめて小型の衛星(1kg級)の総合技術を集中的に研究して軌道投入に足る性能を確認するにいたった。この間、両大学では要素技術の情報を密接に交換し、たとえば衛星搭載の通信機の共通化などによる重複投資の削除に効果を挙げている。複数の大学が協力して宇宙技術を構築する本研究の意図は、今般設立された「大学宇宙工学コンソーシアム」によって、実質的に引き継がれることとなった。これは、大学における人工衛星やロケットの研究を促進するものであり、この組織の中心となっているのが、本研究の担当者である。したがって、2つの大学間協力が全国大学を包含した組織に発展したものと捕らえることができる。
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