研究分担者 |
佐藤 宣子 九州大学, 農学研究院, 助手 (80253516)
岡森 昭則 九州大学, 農学研究院, 助教授 (90112317)
飯田 繁 九州大学, 農学研究院, 教授 (30284558)
遠藤 日雄 独立行政法人森林総合研究所, 林業経営・政策研究領域長
小嶋 睦雄 静岡大学, 農学部, 教授 (50022273)
|
配分額 *注記 |
29,900千円 (直接経費: 27,800千円、間接経費: 2,100千円)
2001年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2000年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
1999年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
|
研究概要 |
本研究は,長期にわたる木材価格の低迷,労働力の高齢化・減少,台風災害やシカ等の鳥獣害等によって著しく低下した林家の森林経営マインドの現状とその要因を調査・分析することによって,(1)林家の経営マインドに依拠して進められているわが国の森林資源政策が転機を迎えていること,及び(2)森林資源管理の社会化を含む新しい森林資源管理システムのあり方,を明らかにすることを目的としている。 再造林放棄にもっとも典型的に見られる森林施業放棄の実態把握のために,全国13道県,469森林組合を対象にアンケート調査を実施,人工林皆伐跡地の概ね30%において再造林が放棄されていると推定した。また,森林・林業・林産業関連データ分析システムを九州大学に導入し,再造林放棄の背景の統計的分析を行った。 さらに,森林施業放棄要因調査を,大分県佐伯流域,静岡県天竜流域,高知県嶺北流域,北海道十勝流域及び東京都西多摩流域において,研究分担者全員によって実施し,再造林放棄が全国的に拡大していること,並びに,その主要な要因として木材価格の下落や林業従事者の減少・高齢化とともに,日本シカの食害や台風等の自然災害があることが明らかになった。 このような活動と並行して研究者全員による研究会を4回開催し,研究成果の取りまとめ方針を検討し,従来の林家の経営マインドに依拠した森林資源政策の限界性が明らかなことから,「森林資源管理の社会化」の観点の必要性を確認した。具体的には,森林資源管理に当たっては,森林資源所有の社会化,森林整備費用負担の社会化,及び森林管理に関する合意形成の社会化,という3つの「社会化」が重要であることを確認した。さらに,森林資源管理の社会化の受け皿として,長期伐採権制度の創設し,これに基づく森林整備には高率の公費負担が求められることを明らかにした。
|