配分額 *注記 |
40,900千円 (直接経費: 38,800千円、間接経費: 2,100千円)
2001年度: 9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2000年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1999年度: 24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
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研究概要 |
個体の性は性染色体の組み合わせによって決定される。その組み合わせは受精時に決定されるが,これを受けて胎性期には生殖腺の性が決定され,精巣と卵巣が分化する。これら雌雄の生殖腺からはそれぞれ性ホルモンが合成,分泌されることで体全体の性が決定されるに至る。従って,生殖腺の性決定は個体の性分化にとって極めて重要なステップであることが分かる。我々は性的に未分化な生殖腺が雌雄生殖腺に分化する過程を詳細に検討することで,生殖腺の性決定を支える分子メカニズムを明らかにすることを目的に本研究を行なった。本研究では我々が見い出した核内受容体型転写因子であるAd4BP/SF-1と相互作用する因子の同定を通じ,Ad4BP/SF-1を中心とした分子メカニズムを検討した。酵母を用いたtwo-hybrid screeningにおいてAd4BP/SF-1と相互作用する因子を多数単離した。これらの因子の中には種々の転写因子や細胞増殖因子からのシグナル伝達に関与する因子が含まれていた。転写因子の中ではpaired型のhomeo domainを有する因子が単離されたが,本因子は遺伝子破壊マウスの解析から生殖腺間質細胞の分化に不可欠な因子であることが明らかにされた。また,本因子がXLAGと呼ばれる人疾患の原因遺伝子であることが患者DNAの解析から明らかになった。細胞増革因子からのシグナル伝達に関与する因子としてはβ-cateninが単離されたが,β-cateninはAd4BP/SF-1のligand binding domainと直接相互作用し,Ad4BP/SF-1による転写を活性化することが明らかになった。また,この転写の活性化が雌生殖腺の分化にとって極めて重要な位置を占めることを明らかにした。これらの結果は生殖腺の性分化メカニズムを理解する上で貴重な情報を与えるものと思われる。
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