研究課題/領域番号 |
11307020
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小川 道雄 熊本大学, 医学部, 教授 (30028691)
|
研究分担者 |
廣田 昌彦 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (80284769)
守 且孝 熊本大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10040213)
山口 康雄 熊本大学, 医学部, 助教授 (90253757)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
21,200千円 (直接経費: 21,200千円)
2000年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1999年度: 15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
|
キーワード | 急性膵炎 / SIRS / CARS / 臓器障害 / 臓器不全 / 感染 / サイトカイン / 好中球 / エンドトキシン / メディエータ / 易感染性 / サイトカイン拮抗物質 / second attack |
研究概要 |
急性膵炎では、膵プロテアーゼの活性化に伴う組織破壊をひきがねにして、サイトカインが産生される。サイトカインは、血球増多反応や急性相タンパクの産生を誘導するとともに、全身の血管内皮細胞と好中球を活性化し、好中球の血管外への浸潤、遠隔臓器への集積を引き起こす。このサイトカインによって起こる全身性の炎症病態がSIRS(systemic inflammatory response syndrome)である。サイトカインにより過度の炎症反応(SIRS)が起こると好中球による遠隔臓器の組織破壊が生じる。 一方、急性膵炎に伴う組織破壊は、サイトカインの産生を誘導するだけではなく、抗炎症性サイトカイン、レセプターアンタゴニスト、可溶性レセプター、などのサイトカイン拮抗物質の産生をも誘導する。その結果、SIRSに引き続いて、サイトカイン産生が抑制されたCARS(compensatory anti-inflammatory response syndrome)の状態が出現する。CARSでは、大量のサイトカイン拮物質が産生された結果、新たなサイトカイン産生が抑制されることから易感染状態が惹起される。その際、感染の結果血中に流入したエンドトキシンが臓器障害を惹起するメデイエータとなる。エンドトキシンは遠隔臓器に集積した好中球を刺激し、好中球エラスターゼなどの臓器障害性メデイエータを放出させる。 すなわち、SIRSではサイトカインの産生に基づく過度の炎症反応から、CARSではサイトカイン産生が抑制された結果生じる易感染性から臓器障害を生じる可能性があると言える。急性膵炎の診療においてはSIRSとCARS、両側面への対策が肝要である。
|