研究課題/領域番号 |
11307024
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉田 純 名古屋大学, 医学部, 教授 (40158449)
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研究分担者 |
桐野 高明 東京大学, 医学部, 教授 (90126045)
若林 俊彦 名古屋大学, 医学部, 講師 (50220835)
水野 正明 名古屋大学, 医学部, 助教授 (70283439)
河瀬 斌 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (40095592)
栗栖 薫 広島大学, 医学部, 教授 (70201473)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
38,100千円 (直接経費: 38,100千円)
2000年度: 13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1999年度: 24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
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キーワード | 脳疾患 / 遺伝子治療 / 細胞療法 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
脳に対する遺伝子治療並びに細胞療法の開発研究の対象として脳腫瘍と脳血管障害を取り上げた。(1)脳腫瘍:発生頻度の最も高いグリオーマに着目し、分子レベルでの性状解析と治療実験を行った。性状解析としては最近悪性脳腫瘍で注目を集めている癌抑制遺伝子PTEN/MMAC1に注目した。昨年PTEN遺伝子の欠損が確認されたグリオーマ細胞株A172にPTEN遺伝子を導入したところ、細胞増殖と細胞突起の伸展が抑制された。本年度はそのメカニズムを解析した。その結果、PTENはFAK(focal adhesion kinase)のTyr387を脱リン酸化することにより、anchorage independent cell growthを抑制し、細胞浸潤能を低下するものと考えられた。その他の検討では、FGFR-2の異常群が最も予後不良であることが判明した。さらにこの異常はp53異常群にもp53正常群にも同じ頻度で検出されたことから、p53遺伝子異常とは独立した予後規定因子であると考えられた。一方、臨床面では「悪性グリオーマに対するインターフェロン遺伝子治療臨床研究」を平成12年4月にスタートした。治療では学内の製剤調製室で調製されたインターフェロン遺伝子包埋リポソーム製剤(液剤)を患者に投与した。治療後得られた数mm画の患者検体を用いた解析で、導入遺伝子の発現と脳内免疫の賦活化を確認した。(2)脳血管障害:脳梗塞においてはApurinic/Apyrimidinic Endonucl lease(APE)に代表されるDNA修復機能の失活が、一過性全脳虚血後のDNA損傷に関与することが示され、これらDNA修復酵素が今後の脳梗塞の遺伝子治療におけるベクターとして応用できる可能性が示唆された。以上の成果を基に、今後も引き続き、効果的な脳神経系疾患に対する遺伝子治療及び細胞療法の開発を進めたい。
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