研究課題/領域番号 |
11307031
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武谷 雄二 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (10114539)
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研究分担者 |
百枝 幹雄 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50221627)
藤井 知行 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40209010)
堤 治 東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (60134574)
大須賀 穣 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80260496)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
27,380千円 (直接経費: 26,000千円、間接経費: 1,380千円)
2001年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2000年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 18,600千円 (直接経費: 18,600千円)
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キーワード | 着床 / 脱落膜 / HLA-G / リンパ球 / 血管新生物質 / アンギオゲニン / コレステロール硫酸 / トロホブラスト / 子宮内膜 / サイトカイン / HLA-G抗原 / 卵巣 / 妊娠 / 初期胚 / 子宮内膜症 / 体外受精 |
研究概要 |
最近の生殖医学の進歩は瞠目すべきものがあるが、さらなる生殖医療のbreakthroughには、着床機序に関わる包括的理解が不可欠である。本研究では着床現象における妊卵・母体の相互調節系に焦点を当て、ダイナミックに展開する着床現象を多面、多元的に把握することを企図した。 まず、胎盤絨毛上の膜結合型HLA-G抗原に対し、末梢血液中のリンパ球と、妊娠局所である脱落膜中のリンパ球がどのように反応するのか検討した。今回の研究で、末梢血中のリンパ球はHLA-Gを認識するとTh1サイトカインの分泌を減少させ、Th2サイトカインの分泌を増加させること、一方、脱落膜中のリンパ球はTh1サイトカインの分泌を減少させるものの、Th2サイトカインの分泌は変化させないことが明らかとなった。両リンパ球のサイトカイン分泌の反応性の違いは、遮断抗体等の妊娠を維持させる働きがある抗体は末梢血液中のB細胞から分泌され、脱落膜中にはB細胞がほとんど存在しないことによると推察された。 また、重要な血管新生物質であるangiogeninのヒト卵巣における発現ならびにその制御機構につき検討した。その結果、体外受精・胚移植施行患者より採取した卵胞液と顆粒膜細胞中のangiogeninの存在が明らかとなり、培養顆粒膜細胞からのangiogeninの分泌は、hCGで3倍,cAMPで3倍,低酸素刺激で5.5倍と有意に促進された。低酸素刺激で12.5倍のmRNAレベルの上昇も認められた。以上より、angiogeninは卵巣において局所の血管新生因子としての生理的意義を有することが推測された。 さらに、着床期特異的に子宮内膜に発現するコレステロール硫酸の生理学的役割について検討したところ、コレステロール硫酸はトロホブラストの内膜への侵入能を抑制することが示され、その機序の一つとしてプラスミン活性の非競合的阻害作用が明らかとなった。
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