研究課題/領域番号 |
11307032
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村田 雄二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40283759)
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研究分担者 |
藤井 絵里子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70231561)
大道 正英 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10283764)
神崎 徹 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00263278)
福田 裕償 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40324751)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
32,090千円 (直接経費: 30,200千円、間接経費: 1,890千円)
2001年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2000年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
1999年度: 15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
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キーワード | 脳障害 / 低酸素・虚血 / 臍帯血流遮断 / 脳血流 / 低体温 / アポトーシス / 低酸素・虚血性脳症 / 臍帯遮断 / フルクトース / 臍帯オクルージョン / 低酸素脳障害 / 胎仔低血圧 / フリーラジカル |
研究概要 |
1.慢性実験モデルを用いた脳障害に関する研究。 胎仔平均血圧が30mmHg以下の低血圧を積算で10分間持続するように臍帯血流遮断実験を行い、血液ガス所見、胎仔血圧、脳血流の相互の関係と、さらに脳の組織学的な障害の程度との関係を検討した。また、フルクトースの脳保護効果を検討するために、血流遮断中に胎仔に持続点滴をおこなった。最終的に組織学的検討が行えたのは生理的食塩投与群4頭、フルクトース投与群5頭であった。組織学的重症度評価は大脳神経細胞、大脳グリア細胞、海馬の3箇所で行い、それぞれ5段階で評価した。脳障害の程度は胎仔の生化学的パラメーターより循環パラメーターに良く相関し、特に循環パラメーターの中でも脳血流量の低下が脳障害発生に最も重要な因子である事が示唆された。フルクトース投与群と生理的食塩水投与群で脳障害の程度には差がなく、今回の実験ではフルクトースの脳保護効果を確認することはできなかった。 2.7日目新生児ラットを用いた低酸素・虚血脳障害の発生メカニズと低体温による保護効果に関する研究。 新生児ラットに対し、左側頸動脈を結紮後8%の低酸素負荷を1時間行った。その後37℃で観察するコントロール群と、24時間30度に保った低体温群の二群にわけて検討を行った。コントロール群では結紮と反対側に広範囲な組織学的病変を認めたが、低体温群では脳の組織学的変化は全く認めず、MAP染色でも病変の消失が確認された。活性型caspase3は24時間で増加し以後48,72時間と漸減したが、低体温群ではコントロール群に比較し24時間で優位に低値であった。低体温の脳保護効果はcaspase-3を介したアポトーシスの抑制が主要な作用機序であることが示唆された。3ヶ月後にABR(auditory brainstem response)を行い、長期神経学的予後について検討した。コントロール群ではIII-V波潜時の延長、I波とV波の振幅比の減少を認めたが、低体温群ではいずれの値も改善を認めた。また、ABRの異常の程度は組織学的病変の程度と相関を示した。低酸素・虚血負荷後の低体温は、組織学的変化を抑制するだけでなく、長期的神経予後をも改善する可能性が示された。
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