研究課題/領域番号 |
11307042
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 健二 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (40091326)
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研究分担者 |
岡元 邦彰 長崎大学, 歯学部, 助教授 (10311846)
筑波 知子 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (70336080)
筑波 隆幸 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (30264055)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
36,850千円 (直接経費: 35,200千円、間接経費: 1,650千円)
2001年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2000年度: 11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
1999年度: 17,900千円 (直接経費: 17,900千円)
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キーワード | 歯周病 / 病原性因子 / ジンジバリス菌 / プロテアーゼ / ジンジパイン / カテプシン / アスパラギン酸プロテアーゼ / 生体防御系 / グラム陰性嫌気性細胞 / Arg-gingipain / Lys-gingipain / 宿主細胞傷害活性 / プロテアーゼ機能 / システインプロテアーゼ / 生存戦略 / アミノ酸・ヘム獲得 / グラム陰性嫌気細菌 / Porphyromonas gingivalis |
研究概要 |
歯周病は歯槽骨を含む歯周組織の広範な破壊を特徴としており、宿主細胞ならびに口腔微生物由来のプロテアーゼの関与が指摘されている。本研究では、歯周病の主要な病原性細菌(ジンジバリス菌)の産生する2種類のシステインプロテアーゼRgpおよびKgpの生理的病理的機能、および宿主由来のアスパラギン酸プロテアーゼの新たな生理機能の解明を行った。本研究を通じて以下のことが明らかにされた。(1)RgpおよびKgpは、それぞれの遺伝子欠損変異体や特異的阻害剤を用いた解析から、ジンジバリス菌が歯周ポケット内で発育増殖するために不可欠なヘムやアミノ酸を獲得するために必須の成分であること、(2)RgpおよびKgpは、ジンジバリス菌が歯周ポケット内で発育増殖するための菌自身あるいは他菌との共凝集反応や宿主細胞や宿主蛋白質への接着反応に必須であること、(3)線維芽細胞や好中球、血管内皮細胞などの宿主細胞の傷害過程において中心的な役割を果たしていること、(4)宿主のリソソーム性アスパラギン酸プロテアーゼのカテプシンDの欠損は、失明と痙攣発作を誘発し、神経細胞内にオートファゴソームやオスミン酸親性の顆粒状沈殿物の蓄積を誘導し、神経性セロイド様リポフスチン蓄積症と類似した症状を発現さすこと、(5)カテプシンDの類似酵素カテプシンEは、マクロファージや脳内ミクログリアにおいて、外来抗原のプロセシング・提示機構で必須の役割を担っていること、(6)カテプシンEはインバリアント鎖のプロセシングには関与しないこと、等々である。これらの結果から、歯周病の発症進展において、RgpおよびKgpはジンジバリス菌の病原性因子の本体であることが実証され、新たな創薬ターゲットとなり得ることが示された。また、カテプシンDおよびカテプシンEが生体防御系において重要な機能を担っていることが明らかにされたことにより、これらの酵素の歯周病への関与が示唆され、これらの活性制御を目的とした創薬研究の重要性も示された。
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