研究課題/領域番号 |
11307054
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 照眞 京都大学, 薬学研究科, 教授 (70025708)
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研究分担者 |
澁川 明正 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30170913)
黒田 義弘 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (90093236)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
40,700千円 (直接経費: 40,700千円)
2000年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1999年度: 37,400千円 (直接経費: 37,400千円)
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キーワード | 糖タンパク質糖鎖 / 薬物・タンパク結合解析 / 糖鎖ミクロ不均一性 / 高速先端分析法 / 電子スプレー型飛行時間質量分析 / Naチャンネル蛋白 / プリオン蛋白 / capillary electrophoresis |
研究概要 |
糖蛋白質であるNaチャンネル蛋白やプリオン蛋白に注目して、糖鎖のミクロ不均一構造が糖蛋白質の機能と構造に果たす影響を解明するするために、各蛋白質の構造あるいは機能の中核となる部位のペプチドフラグメントを合成し、NMR、分子動力学計算、CDスペクトルを用いた構造化学的研究を行い、以下の知見を得た。 (1)ゲート機構を担う部位のNaチャンネルペプチドもプリオン蛋白ペプチドも、溶媒の種類および組成に依存した疎水性環境に呼応して構造変化が起きやすい。 (2)親水性基と疎水性基を合わせ持つ糖はその種類、並び方、分枝の違いに基づいてミクロ誘電率の異なった疎水性空間を局所的に形成しうる事が、蛋白質の局所的な構造変化を引き起こし、その結果、機能調節やアミロイド繊維の形成に関わることが示唆された。 一方、血漿中の代表的な糖蛋白質であるα_1-酸性糖蛋白(AGP)に注目して、塩基性薬物エナンチオマーとの立体選択的結合に対する糖鎖やアミノ酸配列の影響を明らかにするため、キャピラリー電気泳動(CE)および質量分析(MS)を用いる超微量解析法を開発し、AGPの構造的多様性が薬物認識機能にどのように関与するかを検討し、以下の結果を得た。 (1)AGP分子の薬物結合部位近傍のみに存在する2本鎖糖鎖は、塩基性薬物(disopyramide,verapamil)のエナンチオマーに対する光学認識能を殆ど持たない。 (2)genetic variantの一つであるA-variantは、F1^*S-variantに比べてdisopyramideの光学異性体に対してより強い光学認識能を有するが、verapamilの光学異性体に対してはほぼ同等の認識能を有する。 (3)sheathless ESI法に基づくCE/MS法を用いることにより、従来より1桁以上高い感度でAGPの各variantに由来するトリプシン消化ペプチドを分析できた。
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