研究課題/領域番号 |
11308005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
森田 恒之 国立民族学博物館, 民族学開発センター, 教授 (10133612)
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研究分担者 |
岡山 隆之 東京農工大学, 農学部, 助教授 (70134799)
園田 直子 国立民族学博物館, 民族学研究部, 助教授 (50236155)
吉田 集而 国立民族学博物館, 民族文化研究部, 教授 (90099953)
関 正純 高知県立紙産業技術センター, 総括主任研究員
大谷 肇 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50176921)
大江 礼三郎 東京農工大学, 名誉教授 (10015076)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
39,840千円 (直接経費: 36,000千円、間接経費: 3,840千円)
2001年度: 16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)
2000年度: 13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
1999年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 劣化紙の脱酸性化 / 劣化紙の強化 / 劣化紙の点検基準 / カルボキシメチルセルロース(CMC) / セルロース誘導体 / 酸性紙の中性化 / 劣化紙の耐折度補強 / 粘着テープの組成 / Book Keeper法 / Battel法 / 酸性紙 / 紙の劣化対策 / 官能試験 / pH値 / 英国議会資料 |
研究概要 |
国立民族学博物館が平成9年度に寄贈を受けた英国議会資料約二万冊を素材に、酸性劣化の進んだ冊子形体の紙資料を閲覧に耐えるような保存管理対策を確立することを目的とした。従来、1枚物の保存処理技術はある程度まで開発されてきたが、日本では冊子状態のままでしかも大量迅速処理する方法が確立されていなかった。 3年計画の初年度においては、これまでに開発された諸方法の問題点を確認すると同時に、劣化状態を迅速に把握する方法を検討した。とくに大量の図書を人海戦術を使って短期間で点検するには非専門家でも一定水準の結果が得られる、点検項目の策定とそれを使った試行結果に対する評価を行った。点検項目は次年度以降に行われた各種の自然科学的方法による試験結果と比較しながら、さらに絞込みを行った。 第2年度には、先行例に関する海外調査を軸に今後とるべき方策の検討を行った。その結果、酸性劣化した紙の脱酸処理は劣化の進行を抑止はするがすでに著しく劣化した紙の対策には役に立たない、脱酸処理だけなら方法の選択さえ誤らなければ既存技術で対処できるとの結論に達した。しかし最大の問題は劣化した紙の補強であり、この点は海外でも先行例が乏しいことを確認して、補強対策に着手した。各種補強材料と適用方法を検討したうえ、焦点をセルロース誘導体を劣化紙の表面に塗布に絞りこみ、数種のものについて媒材、濃度、塗布方法などについて実験を進めたところ、カルボキシメチルセルロース(CMC)の有効性が高いことを知った。加工方法については今後にまだ多くの問題を残している。 あわせて図書に添付された古い付箋や、旧補修に使った粘着テープ類についてもその除去を前提とした材質同定および経年変化の検討を行った。
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