研究課題/領域番号 |
11308026
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊島 近 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70172210)
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研究分担者 |
小川 治夫 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (40292726)
中迫 雅由 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 講師 (30227764)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
31,110千円 (直接経費: 30,600千円、間接経費: 510千円)
2001年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2000年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1999年度: 22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
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キーワード | 能動輸送 / 蛋白質結晶 / 膜蛋白質 / イオンポンプ / 電子線結晶解析 / X線結晶解析 / ATPase |
研究概要 |
本研究の目標は筋小胞体カルシウムATPaseの三次元構造をまずは、既に薄いながらもX線レベルの三次元結晶が得られていたカルシウム結合状態(ElCa^<2+>)の結晶を用いて、原子分解能で決定し、さらに他の生理的状態に関しても結晶化を進めることであった。本研究は我々の期待を上回る速度で進行し、3つの状態について原子モデルを構築でき、さらに他の2つのカルシウム結合状態(E1ATPとE1Pのアナログ)についても結晶化に成功している。この結果、カルシウムと燐酸の離脱に伴う構造変化を明らかにすることが出来た。すなわち、カルシウムの離脱に伴い10本ある膜貫通ヘリックスのうち、6本が大きな再配置を起こし、カルシウム結合時には大きく離れていた三つの細胞質ドメインはコンパクトに集合することが判明した。膜貫通ヘリックスのうち2本は、膜に対し垂直方向の運動成分を持ち、カルシウムの離脱・結合に伴って、ピストンのように運動すること、すなわちP型イオンポンプは原子サイズの手押しポンプのような機構を持っていることが明らかとなった。その成果の一部は2000年6月と2002年8月にNatureに、2002年12月にPNASに発表することが出来た。 以上の成果は世界的注目を集め、NatureやNature Structure BiologyのNew & Views、ScienceのEditor's choiceで詳しく紹介された他、世界標準の生化学、分子生物学の教科書に最近の大きな成果として紹介されている。
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