研究課題/領域番号 |
11309007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
乾 敏郎 京都大学, 情報学研究科, 教授 (30107015)
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研究分担者 |
林 武文 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90268326)
齋木 潤 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (60283470)
小西 淳二 京都大学, 医学研究科, 教授 (70026970)
杉尾 武志 京都大学, 情報学研究科, 助手 (60335205)
森崎 礼子 京都大学, 情報学研究科, 助手 (50303889)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
36,890千円 (直接経費: 33,800千円、間接経費: 3,090千円)
2002年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2001年度: 8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2000年度: 9,800千円 (直接経費: 9,800千円)
1999年度: 13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
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キーワード | 背側経路 / 腹側経路 / 情報統合 / 形態情報 / 空間情報 / 視覚的作業記憶 / 視覚運動 / カテゴリ / 運動視差 |
研究概要 |
(乾、小西)箸使用を実行、観察、パントマイム、イメージする際の脳活動を計測した。結果、動作の記憶の操作、運用を行うと考えられる下頭頂葉が関与することがわかった。また、運動の実行段階では、運動の細かい調整に、PMvが関与されることが示唆された。一方、把持制御における視覚情報の影響、到達把持運動において重要な視覚情報の同定について検討した。その結果、運動時間を約1100msに統制した到達把持運動では、運動開始後150ms〜350ms間の視覚情報が重要であることが示唆された。そして、最大速度記録時間が約350msでありその関連が指摘できた。 (齋木)色と形態で定義された物体を用いたMOPT課題による実験を行った。色と形態の組み合わせ表現を3-4個同時に保持できないこと、また変化の検出とその内容の同定は2段階を経ていることを示唆する結果を得た。背側、腹側経路で処理された情報が統合された物体の表現が脳内で3-4個同時に保持されるのではなく、我々が生成、保持、変換できる物体表象の数は極めて限られ、選択的注意による特徴統合によって動的に生成と解体を繰り返していることがわかった。 (杉尾)日常物体の認知における大局的構造の影響を検討した。そして、fMRIにより把持の手形状生成時における物体の局所的特徴と熟知度の影響を検討した。その結果、取っ手がある日常物体の把持が、意味知識と局所的特徴の両方から活性化された運動スキーマに依存していることが示された。この結果は、物体認知と把持が脳内で密接に連結していることを示唆するものである。 (林)到達把持動作の途中でターゲット位置が変化した場合のサッケード潜時を計測した。6名の被験者において、動作を伴う場合と目視のみの場合の平均値は、それそれ258±35ms、323±40msであり、到達把持動作によって潜時が短くなることが明らかになった。視覚的注意の集中度が眼球運動サッケードの潜時と正の相関をもつとすれば、到達・把持動作の初期には、注意が解除され易い状態にあることを示唆している。
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