研究課題/領域番号 |
11309008
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大森 明 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (50029229)
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研究分担者 |
谷 和美 トーカロ株式会社, 溶射技術開発研究所, 所長(研究職)
村上 健児 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (60112067)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
37,450千円 (直接経費: 36,700千円、間接経費: 750千円)
2001年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2000年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1999年度: 25,200千円 (直接経費: 25,200千円)
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キーワード | プラスチック / PET / ビオノーレ / リサイクル / 溶射 / 粒子 / 表面改質 / 粒子注入 / 再生PET / アナターゼ型二酸化チタン |
研究概要 |
プラスチックのリサイクルを目的として、溶射により表面改質を行った。Cu粉末をプラズマ溶射した場合、プラズマのみの熱ではPET基材は溶融しないが、Cu粒子を溶射した場合、Cuから熱を受けるために、PET基材が大きく溶融した。そしてその溶融した領域に粒子が打ち込まれることが観察された。一方、粒子からの熱量が少ない場合はPET基材の上にCu粒子による皮膜の形成が認められた。 ガンの送り速度が最も遅い場合に、顕著にPET内部に球形に打ち込まれることが判明しており、粒径が小さい方がより深くまで粒子が打ち込まれており、打ち込まれない場合は、基材の上に堆積する形となった。 高機能化すなわち光触媒機能の付与を目的として、TiO_2粒子の溶射を行った。プラズマ溶射を行うと、PET基材内に打ち込まれる形態が顕著に観察され、粒径20-30μm程度の大きい粒子は未溶融であり、10μm以下の小さい粒子は完全に溶融していることがわかった。また500Aにおいてパス数を増加させると打ち込み粒子上に皮膜が積層するのが認められた。 X線回折結果によると、400A以下において、1パスの場合ではPET基材のピークが見られるが、パス数の増加により完全な皮膜となりPET基材表面を被覆することがわかる。500Aの1パスにおいて、アナターゼTiO_2の存在比が比較的高いのは、比較的粒径の大きな未溶融アナターゼTiO_2がPET基材に打ち込まれているためである。次に生分解性プラスチック(ビオノーレ)上に高速ガスフレーム(HVOF)溶射を行うと、低温で高速注入が可能であるために、ビオノーレ上にアナターゼ100%のTiO_2溶射皮膜を形成することが可能となった。有害物質を分解するには、光触媒活性の高いアナターゼ相の存在していることが望ましいために、アナターゼ100%のTiO_2溶射皮膜が得られたことは、学術的にも工業的にも画期的な内容といえる。これらの結果より、アナターゼ相存在率の高い溶射皮膜が形成でき、溶射によるプラスチックの複合化表面改質が可能となり、その機構を明確にすることができた。
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