研究課題/領域番号 |
11351002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 東北大学 (2000-2002) 大学入試センター (1999) |
研究代表者 |
荒井 克弘 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (90133610)
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研究分担者 |
木村 元 一ツ橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (60225050)
橋本 昭彦 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 総括研究官 (80189480)
池田 輝政 名古屋大学, 高等教育研究センター, 教授 (90117060)
尾中 文哉 日本女子大学, 人間社会学部, 助教授 (90233569)
藤井 佐知子 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (50186722)
今井 重孝 青山学院大学, 文学部, 教授 (80160026)
山村 滋 大学入試センター, 研究開発部, 助教授 (30212294)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
21,480千円 (直接経費: 18,900千円、間接経費: 2,580千円)
2002年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2001年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1999年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 高校と大学の接続 / 大学入試 / 教育スタンダード / 大衆化高等教育 / 国際比較 |
研究概要 |
本研究の目的は大衆化高等教育の時代にふさわしい大学進学の在り方を検討することである。高等教育が数少ないエリートのためのものであった時代には大学進学は厳しい選抜の機会であった。だが、今日のように年齢人口の半分が大学・短大に入学していく時代には、多様な高等教育の目標を達成するための新しい高大接続のシステムが求められる。この問題意識にもとづき、日本、アメリカ、イギリス、ドイツ、韓国、タイなどの大学進学事情を中心に調査研究を進めた。とくに、大学大衆化の先進国であるアメリカについては、独自の実験的な試みを進めている複数の州をとりあげ、重点的な調査を行った。これらの調査研究により得られた知見はおよそ下記の4点にまとめられる。 1.進学準備のための初等中等教育改革 アメリカでは1990年代に国家的な規模で教育スタンダードの導入に踏み切り、進学準備教育の徹底を図った。そのことが地方分権制を旨としてきたアメリカ教育の様相を大きく変えている。イギリスでも1988年にナショナル・カリキュラムの導入を法制化した後、中等教育修了資格の改革にも着手し共通基礎の充実を図っている。 2.義務教育から大学までを一貫させるシームレスな学校システムの構築 アメリカのオレゴン州では、高校までの教育(K-12)と大学をつなげ、K-16の学習を一貫した体制に変える教育改革を進めている。すべての学校段階を進級によって結ぶ構想である。ただ、この実現のためにはいかに生徒、学生の学習意欲を維持させるかが大きな課題になっている。 3.教育評価システムの改革 選抜中心の評価から教育中心の評価システムへの転換が進んでいる。パフォーマンス評価と呼ばれる評価方法がアメリカでは最近注目されているが、この方法はできるだけ多元的な評価を用いる方法だが、利用のしかたによってはできる子どもとできない子どもを却って際だたせてしまうという欠点がある。教員の負担も従来よりも遙かに大きい。これらの問題点を含め取り組むべき課題は多い。 4.高大のダブル登録制や転学システムを活用した接続システム コミュニティカレッジを仲介とする高校から大学への編入学システムはよく知られている。これもいわゆる選抜入試とは違う高大の接続システムの一種である。アメリカのノースカロライナ州をはじめとするいくつかの州では、従来の編入学に加えて、高校教育とコミュニティカレッジを並行学習させるダブル登録制や、受け入れカリキュラムの充実など新しい試みが進められており、今後の動向が注目される。
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