研究分担者 |
鈴木 和夫 日本航空電子(株), 第2技術部, 部長/研究職
森田 裕一 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30220073)
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 助手 (30272503)
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配分額 *注記 |
35,600千円 (直接経費: 34,400千円、間接経費: 1,200千円)
2001年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2000年度: 16,900千円 (直接経費: 16,900千円)
1999年度: 13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
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研究概要 |
本研究では光ファイバー技術を用いたジャイロ開発で高い実績のある(株)日本航空電子の技術陣と連携して,地震や火山活動で励起される微弱な地震動も計測可能な回転成分地震計と,地球自由振動の捻れモードの観測を実現する長周期用回転成分地震計の開発と実用化を行った.具体的には,比較的取り扱いの手軽な可搬型の回転成分地震計でDCから数十ヘルツの高周波まで10^<-9>rad/secのオーダーの分解能を持つものと,可搬型ではないが周期数十秒以上の長周期で10^<-11>rad/secのオーダーの分解能を持つ自由振動観測をめざした長周期回転成分地震計の開発を目指した. 本研究の成果の要点は以下の通りである. 1).小地震の観測を目指した可搬型回転地震計の開発では,内部ノイズを周期1秒付近で5x10^<-9>rad/secのレベルまで下げることにより,震央距離200-300kmで発生したマグニチュード3クラスの小地震の観測に成功した. 2).別の計測技術に基づくジャイロセンサーと並行観測した結果,本研究で開発した高性能回転地震計の有効性を確認した. 3).群列地震観測網のデータから,1999年台湾焦焦地震の本震時に震源域の北部で大きな地動回転成分の揺れがあったことが推測されている.同地震の詳細な震源過程の解析を強震動データと地殻変動データに基づいて行った. 4).1998年伊東沖群発地震の活動を,震源域近傍において高感度ジャイロセンサーと加速度計を用いて観測することにより,多くの小地震について地動6成分のデータを得ることが出来た. 5).地球自由振動の純粋な捻れモードの観測を目指す長周期型回転地震計を完成させた.現在,この地震計を気象庁松代地震観測所の大坑道内にある精密地震観測施設の中に設置するための準備を進めている.同観測施設内で約5年から10年の長期にわたって観測を実施する事により,大地震で励起される地球自由振動の純粋な捻れモードが世界で初めて観測できることが期待される.
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