研究課題/領域番号 |
11354009
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
舟橋 重信 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30022700)
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研究分担者 |
長村 俊彦 (株)ユニソク, 科学機器開発研究所, 主任研究員
稲田 康宏 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助手 (60242814)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
34,160千円 (直接経費: 33,200千円、間接経費: 960千円)
2001年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2000年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1999年度: 23,700千円 (直接経費: 23,700千円)
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キーワード | 超臨界二酸化炭素 / 状態分析 / 動態解析 / コソルベント / 可視紫外吸収分光法 / 赤外吸収分光法 / NMR法 / 超臨界抽出法 / ポルフィリン / β-ジケトナト配位子 / 可視・紫外分光法 / ストップトフロー法 / 可視紫外分光法 / ESR法 / 水 / 超臨界二酸化炭素二相分配 |
研究概要 |
本研究は、超臨界二酸化炭素中の金属錯体などの状態分析や動態解析の方法論を開発し、それらを用いて超臨界二酸化炭素中で進行する化学反応の平衡や速度を測定することにより、金属錯体に関する溶質-溶質、溶質-溶媒、溶媒-溶媒相互作用を分子論的に解明することを目的とした。 平成11〜12年度に、超臨界二酸化炭素を溶媒として可視紫外吸収、赤外吸収、NMRスペクトル、高周波分光スペクトルを測定することが可能な各種セルユニットを設計・開発し、それらの間で試料溶液を循環できる送液ポンプを開発した。また、2つの超臨界二酸化炭素溶液を温度と圧力を保持したまま迅速に混合し、超臨界二酸化炭素中で進行する化学反応を追跡することが可能なストップトフロー装置を世界に先駆けて開発した。さらに、水相および超臨界二酸化炭素相の可視紫外吸収スペクトルを同時に測定可能な水/超臨界二酸化炭素二相分配セルを開発した。これらの状態分析・解析システムは、いずれも単独でもしくは直列に接続して、閉じた流路内に配置するように設計しており、従来の観測セルでは困難であった溶質濃度を関数としたスペクトル変化の厳密な測定が可能となった。 これらの状態分析・解析システムを用いて、平成12〜13年度に、(1)ポルフィリンやβ-ジケトナト金属錯体の溶解度の測定、(2)ポルフィリンのビス(β-ジケトナト)金属(II)錯体(金属=銅、ニッケル、コバルトなど)によるメタレーション反応の反応速度の測定、(3)トリス(β-ジケトナト)ガドリニウム(III)錯体と芳香族アミン配位子との付加物生成反応の平衡定数の測定などを超臨界二酸化炭素中において様々な温度および圧力条件下で遂行した。さらにコソルベントが及ぼす速度定数や平衡定数への効果を解明するために、アルコール類、水、アセトニトリル、リン酸トリブチルなどのコソルベントが共存する条件下において、その種類や濃度を変化させたときの反応速度や平衡定数を系統的に測定した。その結果、特にポルフィリンのメタレーション反応の反応速度に対して、コソルベントが溶質分子の近傍に双極子-双極子相互作用によって形成するクラスターの存在や、それらが反応の活性化過程で生じる溶質分子内の部分電荷を安定化することなどを明らかにした。また、水やトリブチルリン酸などのコソルベントが超臨界二酸化炭素中の6配位ガドリニウム(III)錯体へ付加する平衡定数を決定し、コソルベント分子のかさ高さの影響などを分子論的に解明した。
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