研究課題/領域番号 |
11355013
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
古屋 一仁 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40092572)
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研究分担者 |
宮本 恭幸 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (40209953)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
2000年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1999年度: 10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
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キーワード | ホットエレクトロン検出 / 走査ホットエレクトロン顕微鏡 / トンネル電流ノイズ特性 / トンネル透過率空間分布 / ホットエレクトロンエミッタ / AlAs / GaInAsヘテロ構造 / バリスティック電子輸送 / エネルギ緩和特性 |
研究概要 |
電子波回折パターン観測のための走査ホットエレクトロン顕微鏡(SHEM)を研究した。以前に、絶縁物/金属エミッタで発生させた高エネルギ(3から4eV)ホットエレクトロンの探針捕捉は行われていた。そして最終目標は半導体エミッタで発生させた低エネルギ(30から300meV程度)ホットエレクトロンを観測することである。そこで本研究は、SHEM装置の完成、半導体ホットエレクトロンエミッタ実現、そして高エネルギ(3eV程度)ホットエレクトロンの探針捕捉を目標とした。高エネルギを選んだ理由は試料表面に低仕事関数金属を堆積することを避けるためである。研究の結果、(1)探針によるホットエレクトロン検出特性の包括的理解を達成した。探針/試料構造を球/平面でモデル化し、ジェリウムモデルと映像力でギャップポテンシャルを表し、ホットエレクトロン電流と熱平衡電子電流およびそれらの比のギャップ長依存性を解明した。(2)探針デバイス間の容量電流、残留直列抵抗による熱平衡電子電流、探針制御による位相シフトおよび減衰、を解明し、これら寄生効果の除去方法を確立させた。(3)半導体ホットエレクトロンエミッタを設計し、OMVPE成長によりAlAs/GaInAsヘテロ構造エミッタを作製した。3V以上でのホットエレクトロン発生動作を達成した。(4)作製したエミッタと寄生効果除去法を用いてホットエレクトロン検出実験を行いデータを理論と比較して検討した結果、検出電流はホットエレクトロンによるものではないと判定した。3eV以上の高エネルギ電子を100nm以上に渡って高効率伝搬させることは困難と結論した。 以上、本研究によりSHEM装置および半導体ホットエレクトロンエミッタを完成させた。半導体内ホットエレクトロン観測に向けて300meV以下の低エネルギ電子を対象とする実験へ移行する決断を行った。さらに新たな測定法を着想した。
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