研究課題/領域番号 |
11355035
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
工業物理化学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
福村 裕史 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50208980)
|
研究分担者 |
深澤 憲正 川村理化学研究所, 研究職
朴 鐘震 川村理化学研究所, 研究室長(研究職) (90135658)
畑中 耕治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90312545)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
34,960千円 (直接経費: 34,600千円、間接経費: 360千円)
2001年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2000年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
1999年度: 24,100千円 (直接経費: 24,100千円)
|
キーワード | 走査型プローブ顕微鏡 / フェムト秒レーザー / レーザー分子注入 / パルスX線 / 高分子 / 蛍光 / 光異性化 / アントラセン誘導体 |
研究概要 |
機能性有機分子を分散させた高分子フィルムにパルスレーザーを照射すると、機能性有機分子が高温状態となり固体中を拡散し、表面から集団的に飛散する現象が起こる。この現象を応用して、微小領域における物質移動を調べるために様々の取り組みを行った。その結果、走査型プローブ顕微鏡のプローブを中空開口にし、パルスレーザーを光ファイバーによって導入することにより、数100nm領域まで蛍光性分子の移動を制御できることを示した。周期構造であれば光の干渉によっても同様の物質移動制御が可能であることも示した。光学顕微鏡下の集光スポットにおいてレーザー誘起物質移動を行うと、数μm程度が限界であることも明らかとなった。これらの光熱効果に依拠するプロセスの限界に関し、計算機シミュレーションを用いた取り組みも行った。より短波長のX線を使った物質加工は、シンクロトロン放射光を利用するなどして容易に可能となりつつある。そこでパルスX線をレーザーにより発生させ、有機固体内の電子励起状態の生成過程を調べた。その結果、X線励起によって発生する高エネルギー電子は物質内部をμm領域まで移動することがあり、励起状態の生成する空間領域に大きな広がりのあることが明らかとなった。また、走査型トンネル顕微鏡を用いて10V/nm程度の電圧パルスを固液界面に印加すると、ナノメートル程度の表面変化を誘起することができる。このときフラグメント化したイオンはμm領域まで拡散することが、電流励起発光観測により明らかとなつた。以上のように、室温、大気下の固体表面・界面において電子、イオン、分子等の移動をナノメートル領域で制御する技術に関し、重要な基礎的知見が得られた。
|